労働新聞が指摘する 8月訪中の意味 |
東北地方訪問 「特別な意義」 労働新聞14日付は、金正日総書記の今年の5月に続いて8月に行われた中国非公式訪問を総括する論説を掲載した。論説は、金正日総書記が中国人民支援軍の朝鮮戦争参戦60周年になる今年に行われた2度の訪中は、朝中最高指導者と人民の間に結ばれた友好と同志的友誼をさらに深めるうえで特別な意義を持つ出来事だと強調した。
「抗蒋援華」確認
論説は、金正日総書記が今年8月に訪れた中国・東北地方を「歴史の証人」「朝鮮人民と中国人民に格別な親近感を与える忘れられない歴史の地」としながら、そのゆかりについて説明している。 1945年8月の日帝敗北後、中国の蒋介石勢力は共産党との平和談判の裏で、米国と結託して東北地域を掌握しようと画策していた。毛沢東主席がのちに、「現在の根拠地をすべて失うとしても東北だけあれば中国革命は土台が残ることになる」と回顧したように、中国革命にとって極めて重要な戦略的要衝であった。 金日成主席は1945年9月15日、蒋介石勢力に反対し、中国人民の解放闘争を援助する勇断を下した。この「抗蒋援華」の旗印を高く掲げて、多くの朝鮮の革命家が東北地方に駆けつけ中国革命の勝利のために献身的に戦った。 論説は、東北地方を訪れた金正日総書記を歓迎する席で、胡錦濤主席がこの歴史的事実を述べた点を指摘した。 胡錦濤主席は、「侵略者に反対する共闘で朝中友好が根を下ろした吉林省と黒竜江省に対する金正日総書記の訪問は、両国の伝統的な友好協力関係をさらに高い段階に発展させるうえで特別な意義を持つ。中国東北地域の至る所に金日成主席の革命の足跡が歴々と宿っている。主席は朝鮮の独立を成し遂げただけでなく、中国革命の勝利にも大きな寄与をした」と強調した。 一方、中国東北地方を訪れた金正日総書記の当時の心境について論説は、「金日成主席が中国の老世代の指導者とともに築いた伝統的な友好関係を、代を継いでさらに花開かせる確固不動の意志」があったと指摘した。 今年は「抗米援朝」の旗印の下に行われた中国人民支援軍の朝鮮戦争参戦60周年になる。この意義深い年に両首脳は中国・東北地方で会談を行い、「抗蒋援華」が朝中友好のもう一つの重要な礎となっていることを確認し合った。 論説は、朝中友好は両国老世代の革命家が残してくれた高貴な遺産であり、両国人民の共同の貴重な財産だとしながら、長い歴史と伝統を持つ朝中友好は今後もさらに活力を帯びながら強化発展するだろうと強調した。
高位級の往来
朝鮮中央通信が「抗蒋援華」の歴史的事実を伝える長文の記事を発表するなど、メディアは引き続き、金正日総書記の中国東北地方訪問の意義と朝中友好の伝統などについて強調している。 このような中で朝中間の交流は、両首脳の関心のもとでいっそう活発に行われている。 胡錦濤主席は、8月の金正日総書記の訪中時に朝鮮労働党代表者会(9月28日)が円満な成果を収めることを願うと伝えていた。党代表者会開催直後には、金正日総書記に祝電を送った。 朝鮮側は開催直後の9月30日、朝鮮労働党政治局委員の崔泰福書記を団長とする朝鮮労働党代表団を中国に派遣した。 胡錦濤主席は2日、代表団と直接会い、朝鮮との関係発展を高度に重視し、両国の伝統的な友好・協力関係をさらに発展させていくのは、中国共産党の確固不動の方針であると強調した。 中国側は、中国共産党政治局常務委員会委員の周永康中央政法委員会書記を団長とする同党代表団を派遣し、朝鮮労働党創建65周年を祝った。 金正日総書記は代表団と会見し、閲兵式など党創建65周年記念行事に一緒に参加した。金正日総書記は会見の席上、胡錦濤主席の訪朝を招請し、周永康書記は金正日総書記を含む新たに選出された党最高指導機関メンバーの訪中を要請する胡錦濤主席のメッセージを伝えたとされる。 一方、朝鮮労働党創建65周年に際して中国駐在朝鮮大使館が催した宴会(8日)には、中国共産党政治局常務委員である習近平国家副主席などの高官が参加した。新華社通信によると、習近平副主席はこの席で、朝鮮労働党の新指導部とともに友好の伝統を継いで協力関係をさらに発展させることに言及した。 さらに、軍や外務省の幹部も往来している。 梁光烈中国国防相と人民武力部のピョン・インソン副部長を団長とする朝鮮人民軍親善参観団は14日、北京で会見し、両国の軍隊の友好関係を確認し、協力事業を高位級に拡大することに合意した。 12〜16日に中国を訪れた金桂官第1外務次官を団長とする朝鮮外務省代表団は、武大偉特別代表と6者会談の再開、朝鮮半島と地域情勢などの問題を話し合った。 周永康書記の訪朝の際、朝中政府間の経済・技術協力協定が調印された。この分野での動きも活発だ。朝中友好関係は全方位でさらに発展している。(姜) [朝鮮新報 2010.10.22] |