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総書記の中国訪問に沸く国内 「朝中親善の意義をあらためて感じる」

大マスゲームと芸術公演「アリラン」の第5章「親善アリラン」の一場面

 金正日総書記の中国非公式訪問(8月26〜30日)が、朝鮮国内で大きな反響を呼んでいる。

 8月に開幕し、平壌のメーデースタジアムで連日の賑わいの中で行われている大マスゲームと芸術公演「アリラン」の創作家と出演者たちが、総書記の中国訪問を機に特別な関心を払っているのが、2010年版「アリラン」に新しく登場した第5章「親善アリラン」だ。この章は、金日成主席と中国の歴代指導者たちによって育まれてきた朝中親善をテーマに創作された。

 「アリラン」国家準備委員会責任演出家のキム・クムリョンさん(48)は、「2010年版『アリラン』に、朝中親善をテーマにした新しい章を取り入れるように指導した総書記の意図をあらためて心に刻んでいる」と語る。

 キムさんによると、創作家と出演者たちは今、「親善アリラン」の完成度をより高めることを追求しているという。

 平壌市牡丹峰にそびえる友誼塔の関係者にとっては、総書記の訪中が朝中親善の意義をあらためてかみ締めるきっかけとなったという。

 友誼塔は、朝鮮戦争(1950〜53年)に参戦し犠牲となった中国人民志願軍将兵を追悼し、朝中親善を象徴する記念塔だ。1959年10月に平壌市の牡丹峰に建立され、1984年に総書記の指導により拡張工事がなされた。

 友誼塔で講師を務めるチョン・ミョンミさん(30)は、総書記の今年2回にわたる中国訪問は、金日成主席と中国の歴代の指導者たちが残した朝中両国親善の功績を、より強固なものにしたと話す。

 そして近年、朝鮮半島を取り巻く情勢が緊迫するなかでも朝中両国の親善はいっそう深まっていると述べた。

 朝中親善の年だった2009年から、友誼塔を訪れる中国人の数は急増したという。昨年1年間に来訪した中国の代表団、訪問団、参観団は90団体、約1千人にのぼったが、今年は8月末現在で、すでに100団体を超えた。チョンさんは「人の活発な往来は、朝中親善関係が深まり続けている証拠だ」と話した。

 今年10月には、中国人民志願軍の朝鮮戦争参戦60周年を迎える。

 チョンさんをはじめとした友誼塔の関係者たちは、朝中親善の象徴である塔の管理に、よりいっそう励みたいと決意を新たにしているという。

 一方、学校の授業でも、総書記訪中の意義が強調されている。

 朝鮮では小・中学校と大学で朝鮮近代史が年代別に教えられるが、今回、総書記が訪問した吉林毓文中学校と北山公園の薬王廟は、金日成主席の革命歴史の授業で習う対象であり、生徒たちにとってもなじみ深い史跡だ。

 平壌音楽学院のリ・ミョンシル講座長(38)は、「総書記の中国東北地方訪問は、金日成主席が率いた20数年におよぶ抗日闘争の過程を後世に伝え、伝統的な朝中親善をより発展させる重要な契機になる」と生徒たちに教えているという。

 リ講座長は「子どもたちにとって、中国の東北地方は平壌から遠く離れた場所だが、総書記が訪問してからは、吉林、長春、ハルビンを身近な親せきが暮らす隣町のように感じられるようになった」と話した。【平壌支局】

[朝鮮新報 2010.9.15]