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植民地支配の清算求める朝鮮の世論

「被害者に謝罪と賠償を」

12日に平壌で行われた証言集会 [朝鮮中央通信=朝鮮通信]

 「韓日併合条約」が強制的に締結されてから100年を迎え、朝鮮国内では日本の植民地支配の清算を求める世論が高まっている。

 20日、朝鮮外務省スポークスマンは談話を発表。植民地統治期に「100余万人の人々が虐殺され、840余万人の青壮年が強制連行されて奴隷労働と侵略戦争に駆り出され、20万人の女性が残酷な性奴隷生活を強いられた」と指摘。「極悪な民族抹殺と略奪政策を実施」した日本が、敗戦後も朝鮮の統一を妨害し、朝鮮を圧殺するための敵視政策を一貫して実施してきたと主張した。

 スポークスマンはまた、10日に発表された菅直人首相の「談話」にも言及した。スポークスマンは、「南朝鮮に対してのみ過去を反省し、わびるとの談話を発表した」と指摘。「すべての被害者に条件や差別なく過去を反省し、謝罪」するべきだと主張した。

 そして「日本は、罪悪に満ちた過去について朝鮮に謝罪し、賠償する義務から絶対に逃れられない」との見解を示した。

 19日には、朝鮮中央通信が「『韓日併合』は日本が敢行した前代未聞の国家テロだ」と題する約1万字に及ぶ長文の告発状を発表した。告発状は明治維新以来、日本が計画的に植民地政策を推し進め、武力で朝鮮の国権を奪った経緯を詳述した。朝鮮独立後も現在に至る65年間に渡り、植民地支配を正当化し、歴史をわい曲している事実を、日本の当局者らの発言を引用する形で告発した。

 また、朝・日間の国交を正常化するための懸案問題において、最優先されるべき課題は日本の過去清算であるとしながら、「過去の清算は日本の歴史的責任であり、法的義務である」と指摘した。そのうえで、植民地期に行った「過去の犯罪に対して、国家的責任を認め、賠償しなければならない」と強調した。

 被害者たちも積極的な活動を行っている。

 12日には、朝鮮・日本軍「慰安婦」および強制連行被害者問題対策委員会(朝対委)主催による「日帝の反人倫犯罪被害者たちの証言集会」が、平壌の人民文化宮殿で開催され、日本軍「慰安婦」、強制連行被害者と遺族、在朝鮮被爆者とその関係者、市民などが参加した。

 証言集会で報告を行った朝対委の洪善玉委員長は「日本が敗戦後65年になるこんにちまでも、被害者たちの謝罪、賠償要求を拒否し、黙殺し続けてきただけでなく、犯罪の事実を隠ぺいしてきた」として、「犯罪の責任を回避しようとする日本政府の姿勢は到底許されるものではない」と非難した。

 集会では植民地支配で被害を被った当事者らが、自らの体験を証言するとともに、日本政府が加害の事実を認め、謝罪し賠償するよう求めた。

 一方、朝鮮国内では、民族の団結した力で日本の過去清算を実現しようという機運が高まっている。

 民族の「対日共助」を妨害している南朝鮮当局に対する非難の声も上がっている。李明博大統領は日本の菅首相の「談話」を「進展があった」と評価した。朝対委は今年4月、平壌で日本軍「慰安婦」問題解決のための北南女性討論会を開催しようとしたが、南朝鮮当局は南側女性代表団の平壌訪問に許可を与えなかった。

 朝対委は「現在、日本の罪を総決算することは南朝鮮当局の親日売国策動を阻止するたたかいを抜きにして考えられない」(孫哲秀書記長)と主張している。【平壌支局】

[朝鮮新報 2010.8.25]