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〈論調〉 「天安」号事件は謀略外交の失敗

 最近、国連安全保障理事会が南朝鮮の「天安」号沈没事件と無関係であるという朝鮮の立場に留意するとした議長声明を発表した。それは、敵対勢力の醜い謀略外交の失敗を意味する。

 もともと「天安」号事件は、国連に持ち込む必要も理由もない問題であった。南朝鮮がでっち上げた「天安」号事件は、最初から多くの疑問と矛盾を孕み、内外の大きな疑惑を招いて物議を醸してきた。

 南朝鮮の野党と市民団体、在米同胞までもが、「天安」号事件は不純な目的によってでっち上げられた謀略的なねつ造劇であることを示す科学的な証拠資料を提示し、それに関する文書を国連安保理に提出した。各国のマスコミは、南朝鮮が発表した「調査結果」の多くの側面が明白でなく疑いを抱かせると指摘し、解きがたい「謎」であると評した。「天安」号事件の「調査結果」が事実に合わない非科学的な疑問だらけの風呂敷包みであることが最初から明らかであったにもかかわらず、この事件を朝鮮と無理やり結び付けて国連に持ち込んだこと自体、事件が陰謀の産物であることを示している。

 われわれが「魚雷攻撃」を加えたという米国と南朝鮮の主張には、何の妥当な根拠も論理性もない。朝鮮の利害に「天安」号事件は何の関係もないということは、初歩的な常識や見識の持ち主であれば誰でもわかる。

 しかし、対朝鮮敵対感が骨髄に徹している者は、事件を反朝鮮騒動の道具と見なした。米当局者らが先頭に立って「天安」号の沈没をやみくもにわれわれの「挑発行為」に仕立て、「当然の代価を払うべきである」だの、「悪い結果を招く」だの何のと妄言を並べ立てた。米議会は、「『北朝鮮糾弾決議案』を採択する」「『対北金融制裁法案』を進める」だのと大騒動を起こした。果ては、国連安保理を通じての制裁や圧力を強化すべきであると大騒ぎして奔走した。米国はいわゆる「報復」をうんぬんする南朝鮮をあおり、大規模戦争演習まで画策した。ねつ造謀略劇で朝鮮半島の情勢を戦争の瀬戸際へ追い込もうとするのが米国の真意であった。

 科学的で客観的な証拠物も示せないまま「事件の容疑」を朝鮮に無理やりかぶせる当局の不当な行為が国際社会の納得を得られるはずがない。

 われわれは「天安」号事件の被害当事者として、その真相を最後まで明らかにし、それに対する代価を厳しく計算するであろう。(労働新聞14日付論評)

[朝鮮新報 2010.7.21]