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「天安」号事件真相究明 朝鮮側の主張、調査結果 客観的検証がカギ

 「北の魚雷攻撃」によって哨戒艦「天安」号が沈没したという南朝鮮の主張に対する疑惑が世界的に広がる中、米国と南朝鮮当局が「天安」号沈没事件の真相を隠そうと慌しく動いている。

 この事件に対する朝鮮の立場は、客観性と公正の原則に基づいて虚偽と真実を見分けるべきだというものだ。朝鮮は、事件の真相究明に向けた国防委員会検閲団の現地派遣、北南高位級軍事会談のための実務接触の開催などを主張している。

 一方で米国は、「天安」号事件を「停戦協定違反」だとし、この問題を「軍事停戦委員会」で話し合うべきだというかたくなな姿勢を崩していない。

 これに対して朝鮮外務省スポークスマンは、「米国が謀略劇の真相を隠ぺいするための策を弄している」という非難を浴びせている。

朝鮮外務省 米を非難

 朝鮮外務省スポークスマンは6日、「天安」号事件の真相究明問題について朝鮮中央通信社記者の質問に答えた。

 スポークスマンはまず、朝鮮戦争停戦協定が調印の瞬間から米国によって体系的に蹂躙、破壊されてきた歴史に言及した。とくに1991年、軍事停戦委員会の国連軍側の首席委員のポストに停戦協定の当事者でもなく国連軍のメンバーでもない南朝鮮の軍人を一方的に座らせ、軍事停戦委員会の機能を完全にまひさせたことを指摘した。

 スポークスマンは、「米国が自らの手ですでに破壊した停戦協定と停戦機構を今になって『天安』号事件に引き込むのは理屈に合わない」とし、米国は朝鮮側が軍事停戦委員会を認めないという点を悪用して、「軍事停戦委員会での論議」という看板を掲げていると述べた。

 米国はこれまで停戦協定違反と関連した問題を朝米軍部将官級会談で論議した「前例」があるので今回の事件も論議できると主張している。外務省スポークスマンはこれについても、「『天安』号事件は停戦協定違反どころか、その真相自体がいまだ明らかになっていない事件」だとし、米国の論理を一蹴した。

検閲団と北南軍事会談

 朝鮮は、「天安」号事件解決のカギは朝鮮側が南朝鮮の調査結果を科学的かつ客観的に確認することにあると主張している。

 ソウルで合同調査団の調査結果が発表された5月20日、朝鮮は国防委員会スポークスマン声明を通じて、検閲団の現地派遣を求める立場を表明した。

 南朝鮮当局は検閲団受け入れを拒否しているが、朝鮮側は南側が今からでもこの提案に応じるなら、自らも直ちに北南高位級軍事会談開催に向けた実務接触に臨む意向を表明している。実務接触では、国防委員会検閲団を現地に派遣する問題、高位級軍事会談の開催時期と場所、代表団の構成などの問題が話し合われるという。

 朝鮮側は「天安」号事件に関して米国がこれ以上、北南間の問題に関与すべきではないと主張している。

 米国は6月、国連軍司令部傘下の停戦委員会で事件に関する調査を行い、その結果を説明するために朝米将官級会談を行おうという内容の通知文を朝鮮側に送っている。

 これに対して朝米将官級会談の朝鮮側団長は、すでに幽霊機構と化した軍事停戦委員会を全面に押し立てて調査を行うという自体が理屈に合わず、「米国側がこの問題に介入すればするほど、米国に対するわれわれの疑惑は大きくなるだろう」と述べた。

 国連安保理に対しても、米国と南朝鮮が国防委員会検閲団を受け入れて、検閲団が調査結果を確認できるようにする措置を講じるべきだと主張している。

 申善虎国連大使が安保理議長に送った書簡(6月8日)は、「もし安保理に被害当事者である朝鮮側の確認もない一方的な調査結果だけが上程され、論議が強行されるなら、われわれの自主権と安全が侵害されるのは明白であり、その時になって朝鮮半島の平和と安全にどのような重大な結果がもたらされるかは誰もわからない」と警告している。(志)

[朝鮮新報 2010.7.9]