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軍事論評員 艦船沈没「北関連説」の真相暴露

「窮地に陥った者たちによる陰謀」

 3月26日夜、朝鮮西海で起きた南朝鮮海軍艦船「天安」号(1400トン級)沈没事故を北と関連させようとする動きの真相を暴露する軍事論評員の記事が17日発表された。

 朝鮮中央通信が伝えたその記事によると、北は「たとえ、沈没した大型艦船が南側の軍艦であるとしても、多数の行方不明者と救助された人員の大部分が、苦しい傀儡軍生活を強要されてきた同族の構成員という点で、今までわれわれはあってはならない遺憾な不祥事と見なしてきた」という。

 最近、南朝鮮の軍部と右翼保守政治家らは、艦船の沈没原因究明が困難に陥ると、この不祥事を北と結び付けようと画策している。

 その代表的な例が、メディアを使って意図的に流している「北関連説」である。

 論評員は、「(南当局は)事件発生当初は、自らの『鉄のような』海上警戒と瞬時も中断なく行われているレーダー監視およびソナー・システムに、われわれの何らかの潜水艇侵入の兆候も感知されていないと大騒ぎしていた。それが、予断は絶対に許されないとしていた当初の立場から一変して『北関連説』を騒ぎ立て始めたのである」と指摘した。

 論評員は、事故発生から3週間あまり経過した時点で事態の真相を明らかにすることになった理由について、「意図的に『北関連説』を流している一味の笑止千万な言動について、いちいち対応する必要はないというのがわれわれの立場であった」「しかし、荒唐無稽な『北関連説』の度合いを次第に高めて、沈没の原因をでっち上げて『膺懲』『断固たる行動』『国際社会を通じた新たな制裁』まで謀議している以上、陰謀の内幕を暴かざるをえなくなった」と説明した。

 論評員は、「北関連説」を流布させている目的を3つに整理して指摘している。

 第1に、李明博政権が無能な「国政運営」によって生じた収拾不可能な最悪の統治危機から脱しようと画策している点だ。

 今回の沈没事件が「内部要因」によって発生したこととして世論化されたり、その原因が正しく解明されない場合、李明博政権はそれに対する直接的な責任を負って「6.2地方選挙」での大敗を免れない状況にあり、それがハンナラ党をはじめ保守陣営の分裂と統治力の弱化につながりかねない。

 このような状況下で、今回の艦船沈没事件を北と結び付けて「安保」問題を最重要懸案として浮き彫りにした後、それを名分に「6.2地方選挙」に大きなマイナスの材料となっている諸問題を覆い隠せば、不利に広がりつつある現状の流れを逆転させ、四分五裂している保守陣営を集結させられるであろうというのが政権の胸算用であると、論評員は指摘した。

 第2に、時代錯誤の対北政策を正当化し、北南関係を最悪の状態に追い込んだ責任から逃れようとすることだ。

 現南当局の誤った対北政策に反旗を翻す機運が日増しに高まっている。一味は今回の艦船沈没事件を機に、北南関係を悪化させた責任から逃れ、自分らの対北政策を正当化しようとする心算で「北関連説」を世論化しているのであると、論評員は指摘した。

 第3に、国際的な対北制裁の雰囲気を持続させて北を各方面から圧迫してみようとする下心とも関連している。

 論評員は、南当局は強盛大国へとすすむ北の歩みを阻もうと必死にあがいているとしながら、「まさにここに、『北関連説』をばらまくもう一つの不純な陰謀がある」と非難した。

 論評員は、窮地に陥るたびに陰謀を巡らし、それを口実に愚かな行為をためらわない勢力の危険性について指摘した。

 「歴史を振り返れば、『国会議事堂放火事件』をでっち上げてヒトラーが悪事を働いたし、『蘆溝橋事件』で日本が中国大陸侵略の道に入ったし、『トンキン湾事件』で米国がベトナム侵略戦争を拡大した」

 論評員はこう指摘しながら、「南当局一味は、わが軍隊と人民が常に高度の警戒心を持って、繰り広げられている事態を鋭く注視していることを銘記しなければならない」と警告した。

[朝鮮新報 2010.4.21]