〈今月の金正日総書記−3月−〉 ビナロン再建の意義強調 |
3月の総書記の公開活動は13回(祝電などを除く)。軍部隊視察がなく、経済部門の活動が多く伝えられた。新任の中国大使とも会見した。
新任の中国大使と会見
金正日総書記は29日、劉洪才駐朝中国新任大使と会見した。2月に前任の劉暁明氏が離任し、2003年から中国共産党対外連絡部の副部長をつとめた同氏が着任した。 総書記は、劉洪才大使を歓迎し、談話を交わした。 この日、総書記が大使のために催した夕食会には、朝鮮国防委員会副委員長の金永春人民武力相、姜錫柱第1外務次官、朝鮮労働党の張成沢、金永日の両部長が同席した。 中国国営の新華社通信によると、大使は総書記に胡錦濤主席のあいさつを伝え、総書記はこれに謝意を示した。総書記は、朝中友好関係は両国の先代の指導者が培ってきたものだとしながら、歴史的な経験をもとにいっそう関係を強化し発展させなければならないと強調した。 昨年、外交関係設定60周年を迎えた両国は今年も、軍や政府高官の往来を盛んに行っている。 総書記は2月にも中国共産党対外連絡部の王家瑞部長と会見した。 咸興市民大会に参加 2月、2.8ビナロン連合企業所が生産設備を一新し、16年ぶりにビナロン生産を再開したニュースが伝えられ、「大慶事」として国中が喜びに沸いた。 6日発朝鮮中央通信によると、総書記は現代的なビナロン工場の竣工を慶祝する咸鏡南道咸興市民大会に参加した。 総書記が地方での市民大会に登場するのはこれまでの公開活動を振り返ってもまれなことで、それだけビナロン工場再建の意義の大きさを物語っている。 民主朝鮮9日付政論は、同工場を拠点とする朝鮮のビナロン地区を「強盛大国の勝敗を左右する関門」だと表現した。さらに、千里馬、城津、金策、黄海などの製鋼連合企業所で達成された近年の成果と並べて、これらの分野で「経済大国の大門を開いた」と強調した。 今後、設備がフル稼働して化学製品が量産されれば、国内の軽工業、農業が活性化する。これは今年の共同社説の目標に掲げられた人民生活の向上に直結するものとして期待を集めている。 現地指導報道方法を指示 3月11日付労働新聞は6面編成の紙面中、1面から5面にわたり、慈江道熙川市内の工場視察と錦繍谷革命史跡地訪問を報じた。2面から5面は写真特集となった。 最近、労働新聞は写真を多く使用し、総書記の活動を伝えている。平壌小麦粉加工工場と竜城食料工場(平壌市)の現地指導を報じた1月24日付労働新聞は、通常6面編成の紙面を12面に拡大し、82枚の写真を掲載している。 これらが総書記の指示によるものだということが2月22日に行われた「全国記者、言論人大会」で明らかになった。 総書記が2月21日に同大会参加者にあてた書簡によると、「言論活動で固定された形式と図式、形式主義は禁物」だとしながら、自身が主要紙で既成の慣例を破り1面に歌を掲載するように指示したことに言及、「最近、現地指導の報道記事とともに、写真を多くの面に出すようにした」と明らかにした。(呉陽希記者) [朝鮮新報 2010.4.7] |