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ビナロン生産の経済効果 軽工業、農業発展の突破口

 2.8ビナロン連合企業所の再建による経済効果は、繊維生産による恩恵にとどまらない。

 ビナロン綿の製造過程に生産されるカーバイト、苛性ソーダ、塩化ビニール、染料、農薬、液体塩素、漂白粉、重曹、塩化バリウム、塩化カルシウム、酢酸、アルコール、可塑材など420余種の化学製品は、軽工業、採取、食料、製薬、建材など幅広い分野で利用される。

 90年代に同企業所の生産がストップしたため、これらの原料が国内で不足し、生活必需品の生産が滞った。

 とくに深刻な打撃を受けた軽工業は、外資を使って海外から原料を購入した。

 今回、16年ぶりのビナロン生産によって工業原料問題が解決し、関連する工場の活性化の展望が開けた。

 一方、食糧問題解決においても、明るい兆しが見えている。現在、石炭のガス化による肥料生産システムの構築に国家的な対策が講じられている。2.8ビナロン連合企業所の近くに位置する興南肥料連合企業所などで行われているガス化プラントの建設がそれだ。

 興南などで肥料が、同企業所で農薬が製造されることで、農業増産が期待されている。

輸出も視野に

 同企業所では今後、新しいビナロン生産工程をフル稼働させると同時に、カーバイト炉の建設など生産能力の拡張工事にも着手する。

 また、各種化学製品の国内需要を満たすと同時に製品の輸出も行い、企業所の運営資金を確保するという。

 同企業所の生産正常化のための国家的な対策も講じられている。とくに、電力と石炭部門の生産計画を確実に遂行し、人民生活向上に向けた「相互連携」を図る問題が強調されている。

[朝鮮新報 2010.2.23]