朝鮮外務省声明 平和協定会談の開催を提案 |
「戦争状態終結で非核化進展を」 朝鮮外務省は11日、声明を発表し、朝鮮戦争勃発60年になる今年、停戦協定を平和協定に替えるための会談を速やかに始めることを停戦協定の各当事国に提案した。 会談の形式に関しては、「9.19共同声明に明記されている通り、別途に行われることもでき、現在進行中の朝米会談のように朝鮮半島非核化のための6者会談の枠内で行うこともできる」との立場を明らかにした。また、「制裁という差別と不信の障壁が除去されれば、6者会談そのものも直ちに開かれるだろう」との見解も示した。 同声明は、「朝鮮半島の非核化は東北アジアの平和と安全、世界の非核化の実現に貢献するため朝鮮政府が終始一貫して堅持してきた政策的目標である」と前置きした後、今回提案した平和協定の締結が非核化プロセスの進展に向けた朝米間の信頼醸成に必須の措置であることを強調した。 1990年代から朝鮮半島の非核化に向けた対話が行われ、その過程で朝米基本合意文(94年)や9.19共同声明(05年)のような2者間および多者間合意が採択された。 しかし、それらすべての合意は履行が中途半端に終わったり、丸ごと覆された。その間、朝鮮半島で核の脅威は増大した。朝鮮側はこのような状況に対処するために自衛的核抑止力を持たざるをえなくなった。6者会談は昨年から対朝鮮制裁によって開かれておらず、朝鮮半島の非核化プロセスは重大な岐路に立っている。 声明は挫折と失敗を重ねた6者会談の過程に言及し、このような現実は「当事者間の信頼を抜きにしてはいつになっても問題が解決されないことを示している」と指摘した。 また、「当事者が互いに銃口を向けている交戦状態からは、いつになっても相手に対する不信をなくすことができず、非核化はおろか会談自体が順調に進まない」、「戦争と平和という本質的で根源的な問題を抜きにしたどのような合意も、これまでと同じ挫折と失敗の運命を免れない」との認識を示した。 そのうえで、朝鮮半島の非核化を再び軌道に乗せるには、「核問題の基本当事者である朝米間の信頼醸成に優先的な注目を払わなければなら」ず、朝米間に信頼を醸成するためには、「敵対関係の根源である戦争状態を終息させるための平和協定がまず締結されるべき」だと主張した。 声明はさらに、「そもそも平和協定は核問題と関係なく、それ自体の固有の必要性から、以前に締結されるべきであった」とし、「朝鮮半島にすでに恒久平和体制が樹立されていたなら、核問題も生じなかっただろう」と指摘した。 そして、「9.19共同声明にも平和協定締結に関する問題が言及されている状況から、その行動順序をこれまでの6者会談が失敗した教訓に照らし、実践的要求に合わせて早めればよい」とし、「平和協定が締結されれば、朝米の敵対関係を解消し、朝鮮半島の非核化を速いスピードで積極的に推し進めることになるだろう」と指摘した。 声明は停戦協定の当事国がこれ以上自国の利益を優先視して時間を滞らせずに、根源的問題の解決に着手する勇断を下すよう求めた。 朝鮮は過去数十年間、平和協定締結問題を一貫して提起し続けてきた。 昨年12月のボズワース朝鮮政策特別代表の訪朝時、朝米双方は平和協定締結と関係正常化、経済およびエネルギー協力、朝鮮半島非核化など幅広い問題を長時間にわたって真しかつ虚心坦懐に議論したと伝えられている。 [朝鮮新報 2010.1.15] |