top_rogo.gif (16396 bytes)

東京第2で「校舎お別れ会」 「46年間、ありがとう」

「コッスレ(꽃수레)」をひきながら、学校周辺を一周する児童たち

 新校舎竣工を間近に控えた東京朝鮮第2初級学校で22日、「校舎お別れ会」が行われ、同校児童と教員、オモニ会メンバーと、関係者らが参加した。

 終業式のこの日は、児童らが慣れ親しんだ旧校舎で過ごす最後の日となった。旧校舎に別れを告げるべく、船型の「コッスレ(꽃수레:花車)」を引いた全校児童らは、学校の周辺区域を一周した。

 「コッスレ(꽃수레)」は、アーティストの辻耕さんが、約1週間学校に通いながら制作したもの。まもなく、旧校舎から新校舎に移る子どもたちとともに、「これまで学校を守ってきた神様もお引越し」という意味を込め、「コッスレ(꽃수레)」には、全校生徒が図工の時間に作ったさまざまな形の「神様」が乗せられた。

 辻さんは、「『コッスレ(꽃수레)』の土台を船型にしたのは、かつて朝鮮人が船で日本に渡ってきたという歴史を表現したかったから。一方で、今後の東京第2の新たな出発、船出という思いを込め船の形にこだわった」と話した。2004年、「枝川裁判」の宣伝用チラシの制作を機に、同校の問題に関心を寄せるようになった辻さんは、新校舎に作られるアート作品「希望の壁」のデザインも手がけている。

 旧校舎の取り壊し作業は、年始にも取りかかる予定。それまでの数日間、同校の教室などには各方面で活躍するアーティストの作品が展示される。

慣れ親しんだ旧校舎と過ごす最後の日となった

 この日は、児童らも、訪れたアーティストたちとともに学校の壁や黒板、窓などに思いのままに「落書き」をした。

 「長い間、本当にありがとう」「おつかれさま」などのメッセージや、自分の名前を書く児童らの姿も見られた。

 沈華倻さん(6年生)は、旧校舎の黒板に「46年間、ありがとう。絶対に忘れないよ」と感謝の気持ちを書いた。「卒業までの残りの期間も、旧校舎で過ごしたかった。入学式から、ずっとここで過ごした思い出が走馬灯のようによみがえってくる。来月には、新校舎に引っ越すけど、残りの期間は、新校舎で部活や勉強にいっそう励んで行きたい」と話した。

 一方、この日、オモニ会が準備した給食に続き、サプライズ企画のビンゴゲームが行われた。児童らは、終始笑顔に包まれながら、旧校舎と最後のひとときを過ごした。(周)

[朝鮮新報 2010.12.24]