top_rogo.gif (16396 bytes)

神戸朝高コンサート 市民らが主催 「無償化」訴え、演奏と詩

神戸朝高生たちの元気あふれる演奏に観客から大きな拍手が送られた

 「吹奏楽と詩の夕べ『武庫の流れと共に』神戸朝鮮高級学校コンサート」(同実行委員会)が22日、ソリオホール(兵庫県宝塚市)で行われ、約150人が鑑賞した。

 同コンサートは「高校無償化」除外問題をはじめ、朝鮮学校が置かれた状況を多くの日本市民に理解してもらおうと、市民らで実行委員を組織し開催したもの。

 コンサートでは神戸朝高吹奏楽部が元気あふれるユニークな演奏で観客を沸かせた。オリジナル曲の「君たちへ」「蘇生」や民族打楽器を使った演目など全6曲が披露され、演奏が終わるたびに観客席からは万雷の拍手が送られた。

 吹奏楽部の演奏の前には、8月に出版された、日本人と在日同胞の詩・歌人による選集「朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー」に収められた京都朝鮮中高級学校生徒の創作詩の朗読を同校生徒が行い、「無償化」除外に対する朝高生たちの心情を訴えた。

 またコンサートの最後には、総連兵庫県本部の康永洙副委員長が「無償化」問題をはじめ、在日同胞を取り巻く現状について語った。

 実行委員会の佐々木基文代表は、「朝高生たちの活動のすばらしさを一人でも多くの日本人に知ってもらいたいという思いでコンサートを企画した。交流するのは難しいことはない。まずは知ることから始まる」とコンサート開催の意義を強調した。

 実行委員を務めた宝塚市議会議員の梶川みさおさんは4月、神戸朝高の公開授業に参加し、「生徒たちが学校生活を本当に楽しんでいるのを目の当たりにし、日本の高校生と何ら変わらないと感じた。『無償化』が適用されるべきなのは当たり前。日本人の大人として、何か物申さないといけないと痛感した」と話した。

 またこの日、司会を務めた実行委員の田中ひろみさんは「すばらしい公演だった。音楽が心に染み渡ってきた。生徒たちの詩の朗読も本当によかった。来年もぜひ開催したい」と抱負を語った。

 西宮市在住の金田熊二さんは「幸福な時間だった。来て本当によかった。生徒たちのまっすぐな気持ちが、胸にストレートに響いてきた」と感想を述べながら、「すべての高校生が対象だったのに、朝鮮学校だけが『無償化』から除外されているのはおかしい」と話した。

[朝鮮新報 2010.12.22]