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北海道在日朝鮮人の人権を守る会 第35回「平和友好米500キロ寄贈

 北海道在日朝鮮人の人権を守る会(山本玉樹事務局長)の代表ら5人が10月17日、北海道朝鮮初中高級学校学校を訪れ、「平和友好米」500キロ(長沼産新米ななつぼしの10キロ袋を50袋)を寄贈した。

 同校教職員と生徒たちが一行を温かく出迎えた(写真)。

 山本氏は、出迎えた先生と生徒たち一人ひとりと握手を交わした。偶然に手を握った高2の女子生徒が、旧知の1世ハルモニのひ孫だと知り、目頭を熱くさせながら「あなたのひいおばあさんは植民地時代に夫を頼って日本に来て、とても苦労された。北海道で子どもたちを立派に育てたんだよ。ハルモニはどこでも朝鮮の歌を上手に歌いオッケチュムを踊り、いつでも同胞たちと笑顔でふれあい雰囲気を盛り上げてくれたんだよ。もうあなたは4世になるんだね。先達のご苦労を忘れてはいけないよ」とその手をさらに強く握りしめた。そして、ともにたたかった活動家やその家族の名をあげて懐かしんでいた。そして在日朝鮮人が権利獲得のためにどれほど苦闘したかを力強く語り、日本政府が朝鮮学校を「高校無償化」から除外することは政治を教育現場に持ち込み、子どもたちを傷つけるもので、到底許すことができないと指摘した。

寄贈された新米ななつぼし

 今年は、日本が朝鮮半島を植民地支配して、在日朝鮮人問題を発生させ、おびただしい数の人々をここ北海道に強制連行・強制労働させた年から100年の年である。その子孫である朝鮮学校の3、4世たちが、いまだにさまざまな差別に苦しみ、高校無償化からも除外されていることに心を痛めた山本先生ら「人権を守る会」の人々。

 35年目になる今年は今まで以上に多くの米をプレゼントして、朝鮮学校を支えようと、長沼町から2時間かけて乗用車2台に50袋を乗せて駆けつけた(これまで毎年300キロ〜400キロの新米を寄贈してきた)。

 1973年、北海道長沼町に自衛隊の地対空ミサイル基地の建設を目論んでいた日本政府に対し、住民側は札幌地裁に提訴、「自衛隊は違憲」とした原告全面勝訴を勝ち取り、基地建設は中止された。当時、平和を取り戻したこの広大な土地で収穫された米をどうするかが論議された。

 在日朝鮮人の人権を守る活動に献身していた山本さんが、困難のなかで運営されている朝鮮学校に米を送ろうと提起し、「友好米」の寄贈が始まった。【北海道初中高】

[朝鮮新報 2010.12.17]