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「高校無償化」 「補助金」求め、大阪で緊急集会 市民団体らが主催

500人が駆けつけた緊急集会

 「政府は『すべての子どもの高校無償化』方針をまげないで! 大阪府は『私立外国人学校振興補助金』の無条件、即時『支給』を! 12.14緊急集会」(同実行委員会主催)が14日、大阪市の東成区民センターで行われ、同胞、日本市民ら約500人が参加した。

 日本政府は11月23日に発生した朝鮮西海での砲撃事件を受け朝鮮高級学校への「高校無償化」適用の審査プロセスを停止しており、また大阪府はこれまで20年近く支給してきた「授業料支援補助金」と「外国人学校振興補助金」の今年度の執行を保留している。集会は、「無償化」適用と府の「補助金」支給を求め、府内の朝鮮学校を支援する団体らの呼びかけにより開催された。

 主催者を代表してあいさつに立った「南大阪朝鮮初級学校アプロハムケ」代表の有元幹明さん(「日朝国交正常化の早期実現を求める市民連帯・大阪」共同代表)は、この日、東大阪朝鮮初級学校と南大阪朝鮮初級学校の教職員、保護者、日本市民らとともに府庁を訪ね、「補助金」を支給するよう要請を行ったと報告。「本来なら『無償化』も適用され『補助金』も支給され、このような集会を開きたくはなかった」と話しながら「今日の集会での決意をもって国と府に要求したい。今、私たちが力を合わせて前進する時だ」と呼びかけた。

 続いて「日朝市民連帯・大阪」代表の永久睦子さん(「I女性会議・大阪」共同代表)が集会報告を行った。永久さんは「無償化」をめぐるこれまでの経過と「補助金」を保留している府の対応について話しながら、「朝鮮学校の生徒たちへの差別意識を助長するだけだ」と厳しく指摘した。

「無償化」適用、「補助金」支給を求め声を上げる参加者たち

 その上で、「無償化」にともない特定扶養控除が引き下げられたため、その適用から除外されている朝鮮学校の保護者には「給付なし、控除なし」の二重の経済負担がのしかかっていると指摘、「この国はどこまで朝鮮人をいじめればいいのか」と憤りをあらわにした。

 緊急集会では、大阪府代表(第1地区)として「全国大会」に出場する大阪朝鮮高級学校ラグビー部主将の金寛泰さん、城北朝鮮初級学校オモニ会会長の朱幸枝さん、そして府内の朝鮮学校を支援する各市民団体の代表らがそれぞれ発言した。

 金さんは「朝鮮学校は僕たちの宝物」だとしながら、「朝鮮学校で学び育ったプライドを胸に、朝鮮学校の代表として『全国大会』に参加したい」と決意した。

 朱さんは、朝鮮人ということを隠しながら日本学校に通っていた自身の経験と、朝鮮学校で学ぶ子どもの姿を照らし合わせながら「自分が朝鮮人だということを当たり前に受け入れていることはすばらしい。朝鮮学校で学ぶ権利を奪わないでほしい」と訴えた。

 各市民団体の代表らは「無償化」除外と「補助金」保留に対して憤りあらわするとともに、「朝鮮学校の問題は、日本の民主主義に関わるもの。日本人の問題だ」と一様に話した。

 司会を務めた大村和子さん(城北ハッキョを支える会事務局)は「今日の集会は日本人が日本人の責任としてやっている集会。朝鮮学校は日本人を写す鏡」だと強調した。

 集会では最後に菅直人首相、橋下徹大阪府知事それぞれにあてた、「無償化」の即時適用と「補助金」の無条件、即時支給を求める要請文が採択された。(鄭茂憲)

[朝鮮新報 2010.12.15]