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「高校無償化」 「外交問題の教育への転嫁は不当」、大学教員ら

 日本の国公私立大学の教員らが11月29日、「高校無償化」措置を朝鮮学校に適用することを求める菅直人首相、高木義明文部科学大臣、仙谷由人内閣官房長官あての連名の要請書を発表した。

 要請書は、朝鮮西海での事態を受け日本政府が「審査停止」を発表したことについて、「外交上の配慮などにより判断すべきものではなく、教育上の観点から客観的に判断すべき」との政府、党の統一見解をくつがえすものだと指摘。「平和を脅かす特別な想定外の事態」に対応したとの文科大臣の説明は、「外交的に解決すべき問題を教育の場へと転嫁する、きわめて不当な判断だ」と厳しく指摘した。

 また、今回の日本政府の過剰反応は、日米戦争のさなかに米国で日系人らが「敵性外国人」として財産を奪われ、強制収容所に送られ、日本人学校が閉鎖された歴史、冷戦の緊張が深まる1949年、在日本朝鮮人連盟が「反民主主義」的な団体であるとして強制解散させられ、朝鮮人学校が閉鎖され、財産も没収された歴史に言及。こうした歴史的経験や今回の「停止」に至る一連の措置は、日本政府が朝鮮学校の生徒や関係者を「敵性外国人」とみなしているものと考えざるを得ず、これは「人種、信条、性別、社会的身分」に由来する差別を禁じた日本国憲法ならびに国連人権規約、人種差別撤廃条約にも反する不当な措置だと指摘した。

 その上で、日本政府に対し、朝鮮学校の生徒や関係者を愚弄しつづけたことについて謝罪し、即刻「高校無償化」制度を適用することを求めた。

[朝鮮新報 2010.12.1]