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「高校無償化」 ソウルで即時適用求める記者会見

「無償化」の条件を問題視 「日本の教科書強制は不当」

 全国女性連帯、韓国女性団体連合、韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)などの南の女性団体が17日、ソウルの日本大使館前で記者会見を開き、朝鮮学校への「高校無償化」適用を条件なしに直ちに行うべきだと主張した。

大使館に抗議文

 女性団体の関係者らは、日本政府が「無償化」適用に条件を付けていることを問題視している。

 今月5日、文科相は授業時間などの項目が基準を満たせば「無償化」の対象とするという基準を発表したが、その条件として日本の教科書を参考することなどに言及した。

 記者会見で発言した全国女性連帯のソン・ミヒ自主統一委員長は、「当初は日本政府の『無償化』適用の発表を歓迎したが、その根底にある問題点を見ていなかった。日本の教科書を参考するなどの条件を掲げることは、朝鮮学校で『独島(日本名=竹島)は日本の領土』と書かれた日本の教科書で教えようとすることだ」と述べながら、条件の撤回を求めた。

 韓国女性団体連合のパク・ヨンミ共同代表も、「日本の本性は変わらないということを再認識した。表では『無償化』を適用すると言い、陰では卑劣なことをしている」と非難しながら、差別をやめるよう主張した。

 挺対協を代表して発言した日本軍「慰安婦」被害者のキル・ウォンオクさんは、「朝鮮学校の生徒たちは大変な思いをしながら通っている。そこには日帝によって日本に連行されていった1世たちが苦労をしながら子弟を勉強させた歴史がある」としながら、「日本政府はなぜ朝鮮学校生徒を差別するのか」と怒りをぶつけた。

 この日発表された記者会見文は、日本政府に対して▼朝鮮学校に対する「無償化」の即時適用▼在日同胞が民族学校で学ぶ権利の正当性を国民に認知させ、在日同胞と朝鮮学校への攻撃に対する厳格な対処▼朝鮮学校の地位を認め、戦後日本政府が実施してきたすべての差別政策の改善を求めた。

 記者会見終了後、参加者らは日本大使館に抗議文を手渡した。

 一行と面談した日本大使館の関係者は、本国に伝達して返答することを約束したという。

 これらの女性団体は、日本政府が朝鮮学校に「無償化」を適用して、差別を解消するまで引き続き連帯を広げて運動を展開していく方針だ。(姜)

記者会見文(要旨)

 「韓国併合」100年を迎え、新たな未来を築いていかなければならない今年、むしろ暗い歴史を繰り返す反省のない政策が日本で続いている。差別され続けてきた朝鮮学校が再び「高校無償化」制度から除外されている。

 11月5日、文部科学省は朝鮮学校への「無償化」適用の判断基準を発表した。しかし、「すべての朝鮮学校が『無償化』の対象になることがほぼ確実」と喜ぶよりも、心配の方が多い。

 反対勢力は、各地方自治体に圧力を加えている。すでに大阪、東京、神奈川などでは既存の補助金制度を見直そうとしている。このような状況で、仮に11月末まですべての朝鮮学校が「無償化」適用申請をしたとしても、果たして「無償化」が実施されるかは疑わしい。

 私たちは今回の事態を通じて、「韓国併合」100年を機に「韓日の未来」を言いながらも、実際には何も変わらない日本政府の旧態依然とした態度を再度確認した。民族教育を抑圧するのは、植民地支配下だけの出来事ではない。このような差別が日本で今なお続けられているということを南の社会に広く知らせて、ともに解決しなければならない義務が私たちにはある。

 私たちは、朝鮮学校に対する「無償化」が実現するその日まで女性たちの連帯を広げ、国際社会に日本政府の人種差別および教育平等権侵害の状況を知らせていくだろう。

 私たちは同じ歴史を共有する民族として、日本に住んでいる同胞の子どもたちに差別のない教育政策を直ちに実施することを日本政府に求める。

[朝鮮新報 2010.11.24]