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大阪第4初級で公開授業 民族教育は「人間教育」

国語(朝鮮語)の授業に集中する生徒たち

 大阪朝鮮第4初級学校で13日、公開授業が行われ、府内外の団体、教育関係者のほか、来年度入学対象児童の保護者が学校を訪れた。

 大阪府の橋下徹知事は、府独自で実施する私立高校「無償化」制度から朝鮮学校を除外するだけでなく、これまで朝鮮学校に支給してきた「外国人学校振興補助金」の支給も保留する方針を持ち出している。このような状況の中で、朝鮮学校の実情を直接見聞きし、理解を深めることのできる対外公開授業は、今年、いっそう重要な意義を持った。

 この日は、国語(朝鮮語)、算数、日本語、社会、理科、音楽などの授業が公開された。

 参加者たちは、各教室を回りながら生徒たちの授業風景や教室の様子を参観したほか、教室外に展示された教科書も実際に手に取って見た。

 日本の関係者が多く集まった公開授業では、3年生の日本語の授業が注目を集めた。

 「なりきり作文」と題して、子どもたちが自分の宝物や大切なものに「なりきった気持ち」をつづった作品を発表した。取り壊された「ウリハッキョ」や自転車、ドアやいすなどになりきって力いっぱい発表する生徒らの様子に、参加者たちは熱いまなざしを注いでいた。

 寺谷彰浩さん(35、中学校教員)は、「生徒たちが、しっかりとした目的意識を持って、積極的に授業に参加している姿を見て驚いた。日本学校と何ら変わりがないのに、差別されたり、助成金が保留されているのはおかしいと感じた」と話した。

 公開授業の後には、講堂で同校児童と園児らによる芸術公演が行われた。歌や踊り、サムルノリなどが披露されると、会場からはそのつど惜しみない拍手が送られた。

 大阪第4では、毎年公開授業が行われているが、この日は、例年にくらべて若い教員の参加が目立った。

 初めて学校を訪れたという大槻伸城さん(27、小学校教員)は、「日本の報道により、朝鮮学校が『北朝鮮』の思想教育を行っているという印象を少なからず持っていた」とし、「実際には子どもたちが主体性を持って、健やかに育っていると感じた。伝統舞踊などの各種公演も素晴らしかった。来年の公開授業には、より多くの教員を連れてきたい」と語った。

 「朝鮮学校を楽しく支える生野の会」の長崎由美子代表は、「朝鮮人としての誇りを育む民族教育は、人間教育そのもの。拉致問題だけを切り取って、日本政府や大阪府が高校無償化の適用対象から朝鮮学校を除外したり、助成金の支給を保留し経済的に朝鮮学校を圧迫するのは、戦後にGHQが行った弾圧行為と本質的に同じ。まずは、歴史的背景に目を向け、朝鮮学校との真の共生を考えていくべきだ」と話した。

 参加者らは、同校オモニ会が準備した昼食をとりながら朝鮮学校を訪れた感想を発表しあった後、若い教員を中心とした歓談会に参加。梁学哲校長と質疑応答を交わしながら、朝鮮学校への理解を深めた。(周)

[朝鮮新報 2010.11.22]