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「高校無償化」 京都で緊急集会 「1日も早い適用を」

会場は250人の参加者で埋め尽くされた

 「朝鮮学校へ無条件での速やかな『高校無償化』適用を求める京都緊急集会」(同実行委員会主催)が19日、ひと・まち交流館京都(京都市)で行われ、同胞、日本市民ら約250人が参加した。

 緊急集会は、「無償化」制度開始から6ヵ月が経ち、また「教育上の観点から客観的に判断すべき」とした検討会議報告書(8月31日)が発表されてから3カ月になろうとする今もなお、朝鮮学校が除外されている問題を訴え、速やかに無条件で適用されるよう求めるために開催された。

 緊急集会では最初に、京都朝鮮学園の孫智正理事長があいさつした。孫理事長は、「韓国強制併合」100年になる今年に、「無償化」から朝鮮学校のみを除外し「新たな差別の歴史を作ろうとしている」と指摘。「子どもたちの人権、教育を受ける権利、そして民族教育を守るためにも、1日も早く適用されることを願う」と訴えた。

 続いて、在日本朝鮮人人権協会の金東鶴事務局長が基調報告を行った。

 金事務局長は、今年1月29日に「無償化」法案が国会に上程された時点からこんにちまでの、朝鮮学校除外の過程を振り返りながら、11月5日に高木義明・文部科学相が制度適用基準に関する「規定」および「談話」を発表したことで、朝鮮学校への適用に向けた一定の筋道が見えたものの、「いまだにいつ適用されるのがわからず、また地方自治体において朝鮮学校への助成金見直し、凍結といった動きがあり、予断を許さない状況だ」と指摘した。

 また、この間、日本各地で署名や要請活動が繰り広げられ、各界各層への呼びかけ、国連機関への働きかけなど、さまざまな運動が展開されてきたことに触れながら、「この問題をきっかけに朝鮮学校への関心が集まり、運動の輪が広がった」と述べた。

 金事務局長は、日本政府が朝鮮高級学校を「高等学校の過程に類する過程」と認め国庫から補助金が支給されるようになれば、民族教育を制度として認めさせる契機になると話した。

 緊急集会では、詩人の河津聖恵さん、竹村正人さんが、朝鮮学校除外に反対するために作った詩を朗読。京都朝鮮中高級学校高級部3年の趙英恵さん、同校オモニ会副会長の蒋孝順さん、「朝鮮学校を支える会・京滋」事務局の佐藤大さん、大阪産業大学教授の藤永壯さんが発言した。

 京都中高の趙さんは、多くの日本人が応援してくれていることに対して感謝しながらも、「無償化」から朝鮮学校だけが除外されたことで「自分たちの存在を否定されていると感じた」と話し、「民族教育の大切さ、すばらしさをこれからも訴えていきたい」と述べた。

 「支える会」の佐藤さんは「これは日本人であるマジョリティの問題だ。マイノリティが住みやすい社会こそが本当に住みやすい社会だ」と指摘し、大阪産業大の藤永さんは歴史的経緯や教育内容からしても「国や地方自治体が朝鮮学校を学校として補助することは当然の責任だ」と述べた。

 緊急集会では最後に、日本政府に「無償化」適用を求める要請書と、京都府に教育助成の継続を求める要請書が採択された。

 緊急集会に先立ち1日、府下同胞、京都中高生徒たち30余人が京都の西院駅前で、朝鮮学校への「無償化」適用を求める街頭宣伝活動を行い、市民たちに「無償化」制度から朝鮮学校が除外されている問題を訴えるとともに、ビラ1000枚以上を配った。

[朝鮮新報 2010.11.22]