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滋賀初級創立50周年記念行事 10年後も共に祝おう

学校支援、広く呼びかけ

50周年を祝う同胞、日本市民の踊りの輪が広がった

 滋賀朝鮮初級学校が創立50周年を迎えた。7日、同校で行われた記念行事には、生徒児童、学父母、卒業生、歴代校長をはじめとする同胞、日本市民ら約580人が参加した。1部の記念式典では、学校支援団体である「愛校会」が結成されたほか、2部では、同校生徒や同胞らによる公演、抽選会などが行われた。参加者たちは、焼肉を食べながら再会を喜び、互いに手を取り合って学校を守っていく決意を新たにした。

 この日、晴天の会場では、各地から集った卒業生たちが同級生、先輩後輩、恩師らと思い出話に花を咲かせ、笑顔を浮かべる場面がいたるところで見られた。

 神奈川県に住む姜章子さん(50、15期卒)は、35年ぶりに学校を訪れた。「みんなに再会したとき、なつかしさから涙が止まらなかった」。結婚後、同胞社会と離れて暮らしてきたという姜さんにとって「ウリハッキョは自分を朝鮮人としての原点に連れ戻してくれる場所。これを機に、今後も何かあれば積極的に訪れたい」とほほ笑んだ。

 一方、洪勝之さん(39、25期卒)は、「人と人との繋がりを生み出してくれる場がウリハッキョ。先輩や後輩と何十年ぶりに再会しても、ここで学んだ者同士すぐに兄弟のように打ち解けることができる。絶対になくてはならない。今後も、あらゆる面で支援したい」と話した。

 「地域に、たった一つのウリハッキョを守りたい」−この日の行事は、そうした愛校心を呼び起こし、今後の学校発展のための活動に、みなが一丸となって取り組むための大きなきっかけとなった。

 鄭想根校長は、行事成功のため尽力してきた実行委員を中心とした学父母、同胞へ深い謝意を述べ、「今回の記念事業を通じ、学校支援運動のための母体が作られた。学父母、同胞、日本の人々と手を携えていけば、学校はずっと守られていくという確信を得た」と話した。

「愛校会」結成

 卒業生、学父母をはじめとする同胞、学校関係者を含む幅広い年代で構成された実行委員会はこの間、地域で行われる年間行事を主催、後援しながら、卒業期別責任者を通じ50周年をアピールし、連携強化に努めてきた。また、卒業生や元学校関係者など約1千人の名簿を整理して500通の案内状を送付するなど、幅広い同胞に記念事業への参加と学校問題への関心を持つことを呼びかけてきた。

 近年の財政難により学校運営は苦しいが、50周年行事の準備過程は学校運営正常化への突破口を開くための道のりでもあった。

 実行委員会は「行事そのもののためではなく、継続的な学校支援のための大衆的な基盤構築」を目指した。

 それらが具体的な形となって現れたのが、今回新たに結成された「愛校会」だ。

 「愛校会」は、学校を守り発展させようというすべての同胞と、民族教育の自主権尊重を支持する日本市民を対象とした学校支援団体だ。来年3月までは、50周年行事を準備した実行委員たちが「愛校会」役員として、「一口千円運動」への参加呼びかけや、学校行事の主催などを行っていく予定だという。

 90年代から日朝友好活動に励んできた湖南農業高校教員の徳永信一さん(49)は、「愛校会に日本人も含まれることを嬉しく思う。在日と日本人というカベを超えて共に手を携えるパートナーとして認められたような思いだ。朝鮮学校は地域の拠点。今後、新たな歴史を築いていけるよう共に学校を守っていきたい」と話した。

 李相浩実行委員長(43、22期卒)は、「ウリハッキョは『心の故郷』。今回の行事を第一歩として、みなで学校問題を考え、10年後の学校還暦を共に祝えるようがんばっていこう」と呼びかけた。(周未來)

[朝鮮新報 2010.11.10]