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福岡初級創立50周年記念祝典 青年の姿が同胞を魅了

100周年展望し結束

 福岡朝鮮初級学校創立50周年記念祝典が10月24日、同校で行われ、日本人士50人を含め、卒業生、同胞ら800余人が日本各地から参加した。祝典は、1部記念式典、2部記念公演、3部連合同窓会および同胞祝賀宴で大盛況だった。この日の行事は、20代から50代が主力となった福岡初級創立50周年記念事業実行委員会の1年以上にわたる活動の総決算となった。

生徒数118%に増加

たくさんの教員経験者が歌を披露した

 1期卒の張永浩さん(62)の開会宣言で始まった記念式典では、朝鮮の姉妹校から送られてきた祝電が紹介された後、日朝学術教育交流協会の中村元気会長、立花高等学校の齋藤眞人理事長兼校長が祝辞を行った。

 趙星来校長(21期卒)は報告で、この日の祝典をはじめとする創立50周年記念行事のための実行委が結成され学校を愛し、守ろうという運動がいつになく活性化するなかで、今年4月に生徒、園児数が118%に増加したと指摘。来学年度も増加する展望を開き、今日の行事を迎えることができたと述べ、これからも生徒数を増やしていきたいと語った。

 式典では学校創立50周年を記念し、長年同校で教鞭をとった教員ら3人への特別賞の授与式があった。

 実行委員会の蔡徳生委員長(17期卒)は、創立50周年を契機に、同胞、卒業生らが50年後の創立100周年を展望し、子どもたちを応援するとともに母校と同胞社会の発展にいっそう寄与する事業を展開しようと呼びかけた。

多くの卒業生が参加

写真展を見ながら、思い出に浸る卒業生たち

 実行委はこの間、総務、企画、記録、財政、連合同窓会、愛校の各部署を設け、千人の卒業生との連携を構築した。また、記念公演、連合同窓会の準備、新たな通学バスと学校備品の贈呈、対外公開授業および記念講演会、運動会と納涼祭を催すなど、あらゆる事業を展開。卒業生と同胞らは先輩後輩を問わず、みんなでそれぞれの役割を決めた。

 実行委による歴代教職員同窓会(昨年11月)から始まった一連の記念事業には、延べ2千人を超える卒業生と日本人が参加したという。

 創立50周年記念音楽舞踊総合公演「ピタルキル(坂道)」(祝典第2部)の演出は、企画部傘下公演制作委の学父母たちが教員のサポートを受けながら手がけた。公演は学校創立50周年を迎えた喜びを舞台いっぱいに表現しながら、その輝かしい沿革とともに現在の子どもたちの様子と未来へのあふれる希望を織り交ぜた内容となった。観覧した同胞は福岡初級の半世紀の歩みを振り返りながら、卒業生としての誇りを再確認し、感動の涙を流していた。

 オモニ会の卞豊美会長(50、実行委副委員長)は50周年事業を契機に学父母たちが結集できたと述べ、今後もアボジ会と力を合わせ、子どもたちのために力を尽くしたいと語った。また、子どもたちとのふれあいを重視し、学校の清掃活動や地引網大会、陶芸教室などを通して子どもたちの豊かな情緒を育もうと奮起しているアボジ会の金梁道会長(42、実行委副委員長)も、「オモニたちに負けない活動を積極的に繰り広げていきたい」と話していた。

生徒数2倍目指し

 会場を訪れた同胞、日本人士らはそれぞれに朝鮮学校の魅力について話していた。

 6期卒の同窓生だという崔晴美さん(57)と石明美さん(57)は、写真展を見ながら思い出話に花を咲かせていた。

 その横で微笑んでいたのは、1965年4月から教員生活をスタートさせ、今年で45年目だという朴亮淑先生(64)だ。教え子との再会にうれしそうな朴先生は、「私もまだまだ、同胞社会のために貢献できるように精進したい」と語った。

 一方、地元女性同盟役員らとのつながりが深いというI女性会議福岡県本部の末永節子副議長(64)は、芸術公演や舞台上での発言内容から、在日同胞にとって朝鮮学校がいかに大切な存在であるかを改めて感じたという。

 歴代校長の一人として紹介された金台権さん(68、6代、8代校長)は、「民族の代がしっかりと受け継がれている。福岡の在日同胞運動の転換期を迎えるような祝典だった」と述べた。

 金さんの視線は、福岡地域青商会の朴成根会長(37、25期卒、実行委員会副委員長)が閉会宣言を行っている姿に向いていた。「生徒、園児の数を10年後には2倍にしたい。母校と同胞社会のために奮闘したい」。10年後の創立60周年記念行事の「実行委員長候補」と期待されている朴会長に、金さんばかりではなくたくさんの卒業生から熱い視線が注がれていた。(李東浩)

[朝鮮新報 2010.11.4]