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群馬初中創立50周年記念行事 さらなる学校支援に奮起

大同窓会、再会に笑顔

 群馬朝鮮初中級学校創立50周年を祝う記念行事と大同窓会が10月24日、同校で行われ生徒、学父母、同胞、関係者や日本市民ら約800人が集まった。この日、運動場のいたるところでは、杯を交わし思い出話に花を咲かせる参加者らの姿が見られた。近年の経済不況下で、学校運営に困難が生じているなか、50周年行事は卒業生たちの愛校心を呼び覚ます大きなきっかけとなった。

世代をつなぎ

生徒たちが披露した公演

 2部で行われた記念公演では、生徒と卒業生、同胞、学齢前児童らの歌や踊り、楽器演奏などが披露された。児童らが元気よく歌を披露する姿を見ながら、崔彩玉さん(82)は「とても感慨深い」と語った。1世として、民族教育を守ることに苦労をいとわなかった崔さんにとって、ウリハッキョは「生きる証」そのものなのだという。

 群馬には、昔から祖国愛の強い同胞が多い。1960年9月1日、高崎で初めて正規教育が行われて以来、地域の同胞たちは経済状況がどんなに困難でも、子どもたちを朝鮮学校に送った。

 72年には「より良い場所に、より立派な校舎を」建てようと、教育環境に恵まれた群馬県の中心地、前橋敷島公園に「外観は公園、内装は宮殿」と言われるほどの見事な新校舎を建設した。

 同地域で1、2世が育んできた民族教育の火種は、こんにち、若い世代によって力強く受け継がれている。

 45年前、同校で教鞭をとっていた金順雄さん(66)は、この日、30年ぶりに学校を訪れた。金さんは、記念行事の成功のため奔走してきだ俊煥実行委員長(59、2期卒)の姿を見ながら、学校創立当初、彼が初級部の生徒だったときの、お祝いのあいさつを述べている光景を思い浮かべていた。金さんは、「あれから半世紀が経って、教え子が学校支援活動に一生懸命取り組む姿を見て胸が熱くなった」と嬉しそうな表情を浮かべた。

「ハッキョあってこそ」

会場のいたるところで同級生との再会に盛り上がる卒業生らの姿が見られた。

 行事実行委員会が中心となり、約1年間にかけ行われてきた準備過程は、一方で、危機的な状況にある学校の現状を打開するための道筋でもあった。

 その中心となってきたのは青商会世代だ。若い世代の同胞らはこの間、学校美化運動や、チャリティー行事、特設ホームページの開設を行ったほか、北海道から熊本まで各地に散らばった卒業生の自宅を直接訪問し、行事への参加を呼びかけてきた。

 行事の事務局メンバーでもある中北青商会の趙東鎭幹事長(36、25期卒)は、「ウリハッキョがあってこそ、自分たちが存在するとあらためて感じた。これからも学校支援活動にいっそう尽力していきたい」と話した。

 記念行事に参加するため北海道から駆けつけたという徐誠達さん(28、33期卒)は、「ウリハッキョは、守るべき大切な場所。今後も何かあるたびに学校を訪れたい」と話した。

守るべき場所

 群馬地域では数十年前から、同胞と日本市民らの交流が盛んに行われ、親睦を深めてきた。

 この日舞台では、これまで学校を支援してきた「日朝友好連帯群馬県民会議」「群馬朝鮮初中級学校を支援する会」をはじめとする各団体、個人へ実行委員会から感謝状と記念品が贈呈された。

 「支援する会」の真下治之代表は、「日本に住みながら、朝鮮民族の息吹を子どもたちに教えてきた朝鮮学校は、地域に残すべき大切な存在。民族教育を取り巻く情勢は依然として厳しいが、『支援する会』では、これからも地域の日本の人々に民族教育への支持、賛同を呼びかけていきたい」と話した。

 同校の安重根校長は、同胞数が3千人にも満たない群馬地域で、変わらずに学校を守ってきた先代や同胞たちに深い謝意を述べ「これからも地域同胞や、日本の人々と手を携えて民族教育の発展に努めていきたい」と語った。(周未來)

[朝鮮新報 2010.11.4]