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千葉初中で授業参観・バザー 同胞、日本市民ら 500人が参加

「ハートと知恵を絞って」

歌と踊りで会場をわかせた初級部の児童たち

 2010学年度千葉朝鮮初中級学校の授業参観・バザーが10月24日、千葉・検見川にある同校で行われた。授業参観は初級部1年生から中級部3年生までの1、2時間目が公開され、算数、国語、日本語、朝鮮史、理科、英語の授業を学父母のほか、千葉県総務部学事課、千葉市子ども未来局、船橋市教育委員会のメンバーと千葉市会議員、「千葉朝鮮学校を支援する会」の役員らが参観した。授業終了後に同校運動場で行われたバザーには、近隣の日本市民らも足を運び、合わせて500余人が訪れた。

 バザーは同校の「オモニ会」が中心となり準備した。

 運動場にずらりと並ぶ14のブースを各分会別に出店するのが同校の特徴。同県に朝鮮学校は一つ。仕事をしているオモニたちが学校にひんぱんに集うのは容易なことではない。地域別に分担することによって効率よく準備を進めるように工夫されている。

駄菓子コーナーで子どもたちを楽しませた

 午前10時半から始まったバザーだが、開始前から本場のキムチを買うために行列ができていた。キムチが目当てで来たという宮坂相子さん(40、千葉市在住)は、「バザーに来るのは今年で3回目。今日はキムチを4袋も買った。キムチだけじゃなく他の料理もおいしいから今年も楽しみにして家族4人で来た」と話した。

 同時に運動場の広場では生徒たちによる小公演が行われた。初級部高学年、低学年の合唱、初級部舞踊部の重舞「ハンサンの舞」が披露された。公演最後の中級部3年生の農楽「豊作の舞」では、民族衣装をまといサンモを回し、男子生徒が側転やバック転を連発すると拍手がわき起こった。

 その後、運動場にブルーシートを敷き、同胞と日本市民たちが共に七輪を囲んで焼肉に舌鼓をうった。

 中級部生徒たちは前日から椅子、机、テントを運搬するなど会場の準備を手伝い、当日は駄菓子とゲームコーナーを担当し、子どもたちを楽しませた。

 他にも、トッポッキ、クレープ、焼きそば、ピビンパプ、生マッコリ、豚足の煮込みなどが販売され、バザー終了間際にはほとんどが完売した。売り上げは学校運営資金に充てられた。

地域の誇り

トッポッキを売るオモニたち

 今年4月、花見川区の区議会議員と地元住民ら約100人が参加する同区議会の歓送迎会に同校オモニ会のメンバーも参加した。そこでウリハッキョをもっと知ってもらおうと積極的にアピールした。

 それが縁となってこの日にブースを出したのが、同会議に参加していた障害福祉サービス事業所「ステップちば」の精神保健福祉士の吉原瞳さん。所員らとともに同事業所で開いている喫茶「カフェ・マロン」が今回初めて出店し、焼き菓子やコーヒーを販売した。吉原さんは「朝鮮の歌や踊りを見たのは今日が初めて。七輪で焼肉を焼く姿やキムチ、トッポッキなど、朝鮮の文化に触れられて感動した。これからもいろんな地域のイベントに参加してもっとアピールしてもらいたい」と述べた。

授業を参観する日本市民たち

 また、普段から交流を重ねている近隣の瑞穂小学校の保護者の会の人たちも、フリーマーケットを出店した。

 花園地区町内自治会連合会の新井貞男事務局長は、「政治的な話をすると難しくなってしまうが、民間同士が理解し合うのはさほど難しいことではないはず。せっかく近くにいるのだからもっと仲良くしていけばいい。授業も見たが、内容も教え方もわかりやすく、教員の指導技術が高いと思った。千葉の朝鮮学校がこの地域にあることを誇りに思う」と語った。

 同校オモニ会の金明珠会長は、「子どもたちのため、ウリハッキョのためならどんなことでもつらいとは思わない。周りのオモニたちもみな責任感の強い人たちだからみんなで頑張ることができた。これからもハートと知恵をふり絞って子どもたちの未来のために頑張っていきたい」と話した。(文と写真・尹梨奈)

[朝鮮新報 2010.11.4]