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「高校無償化」、全国朝鮮高級学校校長会が会長談話発表


文科省が適用基準公表、結論はまた先送り

 文部科学省は31日、朝鮮学校への「高校無償化」適用について検討していた専門家会議の報告を公表。「高等学校の課程に類する課程を置く外国人学校の指定に関する基準」を示す一方、朝鮮学校に対する「高校無償化」適用の判断を見送った。川端文科相は当初、報告を受け8月中に結論を出すとしていたが、この日になって、民主党内の議論を踏まえて判断する方針を明らかにした。これらを受け、全国朝鮮高級学校校長会の愼吉雄会長が1日、談話を発表した。以下、全文を紹介する。

全国朝鮮高級学校校長会会長談話

 8月31日、文部科学省において「高等学校の課程に類する課程を置く外国人学校の指定に関する基準」が発表されましたが、朝鮮高級学校生徒への無償化適用の判断が示されるまでには至りませんでした。このことに対し、朝鮮高級学校の生徒と保護者、教職員たちはまことに残念に思っています。

 私たちは、今回の「基準」に基づき、高等学校等就学支援金の支給に関する制度が朝鮮高級学校に通う生徒たちにもすみやかに適用されることを願い、この機会にあらためて全国朝鮮高級学校校長会の立場を表明したいと思います。

 朝鮮高級学校生徒への無償化適用問題が提起されてから今日に至るまで、全国各地で各界各層の日本の人々から様々な形で多大なご支援を賜りました。私たちは心から感謝いたしております。

 この間、衆議院文部科学委員をはじめ多くの国会議員と各界の著名人が全国の朝鮮高級学校を訪問され、朝鮮高級学校の教育に対する理解をより深めていただきました。

 半世紀もの歴史をもつ全国の朝鮮高級学校は創立以来、10万人以上の卒業生を輩出しており、彼らの多くは朝鮮大学校はもとより、日本の国公立や私立の大学及び大学院に進学し、日本において地域社会はもとより、経済、言論、文化、学術、スポーツ、福祉などの様々な分野で活躍しております。

 今後とも朝鮮高級学校では、日本で生まれ育ち生活を営んでいく在日同胞生徒らが、民族的アイデンティティーと素養を培いながら、日本の人々と手を携えて善隣友好の架け橋となり、地域社会の発展に貢献できる人材を育ててまいります。同時に、国際化の流れに沿って日本と世界の歴史や文化への理解を深めるよう一層努力してまいります。

 また、より開かれた学校として、公開授業、文化・スポーツ交流などを通じて日本の高等学校及び地域社会との共存と親善を図ります。そして、所管庁への財務状況などの報告を滞りなく行ってまいります。

 私たちは、これからも多くの日本の方々が全国の朝鮮高級学校を訪れてくださることを心より願っています。

 私たちは、朝鮮高級学校の生徒に無償化が適用されていないという状況が一日も早く解消され、生徒や保護者たちの学費負担が軽減されることを切に願いつつ、日本国民のみなさんの御理解と御協力を心から望むものであります。

[朝鮮新報 2010.9.1]