〈続 おぎオンマの子育て日記-B-〉 サンホとサッカー |
サンホは幼稚園で、トンムたちと共にボールを蹴り始めた。休み時間、狭い校庭はサッカーやドッジボールや一輪車に興じる子どもたちであふれかえる。空間と子どもが同じ量で混沌としている。低学年の頃、同じ所で2重、3重にゲームが進行している混沌サッカーの中で、遊んでくれる高学年生たちに魅せられた。サッカーが楽しくなった。そして、3年の担任が決定打となり、のめり込んだ。 学校のチャイムより声の大きい、教務主任がその人である。彼の声はどんな試合もホームゲームに変える。初めての初級部担任だったそうだが、子どもたちは先生が好きで、トイレにまでついて歩いた。初めての対外試合の時、先生から保護者に手紙が来た。試合中、子どもたちに細かい指示を出したり、失敗を責めたりせず、のびのびと自分で考えながらプレーできるような暖かい応援をお願いしますという内容だった。それ以来、オンマは楽しい応援を続けている。 高学年に上がり、もっと上手になりたい、学校以外でもサッカーがしたいと言いだした。クラブチームやスクールを見学した。今も迷っているが、どこかで読んだ「サッカーで満たさない、消耗させない」というスタイルを守ることにしている。宿題をしたうえで就寝時間が守れて、翌日の朝はすっきりと目覚め、「もっとサッカーしたい」という気持ちが持続している状態が理想的だと思う。 サンホの夢はサッカー選手になることだ。もちろん、夢を応援したい。とはいえ、希代の運動音痴であるオンマは、今のサンホのような生活は辛くて、とてもできなかっただろうと思うのである。ウリハッキョも子どもの数が減って、クラブ活動の選択肢がないので、苦しい子どももいるだろう。ウリハッキョから世界へ羽ばたく選手が育って欲しいと願いつつ、選手育成よりはサッカーで人を育てるウリハッキョのチュックであってほしい。コマチュックへ向けて焦眉の問題は、応援に行くたびにオッパの2倍は黒くなるミリョンの日焼け対策である。(李明玉) [朝鮮新報 2010.7.30] |