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「高校無償化」 神戸で緊急集会 日朝友好の伝統で、運動を先導

 日朝友好兵庫県民の会が主催する「『高校無償化』からの朝鮮学校外しを許さない第2回緊急兵庫県民集会」が26日、神戸市勤労会館で行われ、同胞、学生、日本市民ら410余人が参加した。集会では、神戸朝鮮高級学校の生徒、保護者、市民団体関係者らが発言。朝鮮学校への「無償化」適用を求める集会アピールが採択された。

県内で署名5万4000人分

「無償化」を勝ち取るために最後までたたかうことが確認された緊急兵庫県民集会

 1948年「4・24教育闘争」の主な舞台であり、阪神淡路大震災時に朝鮮学校などを拠点に同胞と日本市民の助け合いがあった兵庫県では、民族教育に対する市民の深い理解と朝・日友好の伝統を活かし、同胞、学生、日本市民が連帯し、幅広く運動を展開してきた。その結果、県内では朝鮮学校への「無償化」適用を求める5万4000人分の署名が集まった。関係者らは「日朝両国の人々の確かな歩み」を実感している。「無償化」を勝ち取るため最後までたたこうと結束を強めている。

 集会では、主催者を代表し日朝友好兵庫県民の会の麻田光広代表委員があいさつ。「教育が政治権力の道具に使われている。兵庫県に住むわれわれが声を上げ力を結集させ、政府の考えを改めさせよう」と訴えた。

 続いて、兵庫朝鮮学園の朴成必理事長と姫路朝鮮問題研究会の松尾司代表が発言。「教育の現場に政治問題を持ち込んではいけない」「朝鮮学校に対する差別を許さない」などの厳しい指摘があり、「朝鮮学校の子どもたちの笑顔を取り戻すため力を合わせてたたかおう。兵庫から力強く発信しよう」との呼びかけがあった。

 続いて、日朝友好兵庫県民の会の杉田哲幹事長が基調報告を行った。朝鮮学校外しの不当性、「無償化」適用を求める運動の経過などについて報告した杉田幹事長は、国際人権規約、日本国憲法などに言及しながら、「朝鮮学校除外は民主主義の原点である『教育の機会均等』に反する。差別のない社会を目指して共に歩み続けよう」と述べた。

発言に熱心に耳を傾ける参加者たち

 神戸朝鮮高級学校オモニ会の文直子会長は、国連・子どもの権利委員会などへの要請活動について報告。「在日朝鮮人の民族教育が世界に誇れるものであり、国際的に保障されるべきであることを、在日朝鮮人の歴史とともにより深く実感した」と意義を語った。そして、「在日朝鮮人がこれまで権利を獲得してこられたのは、多くの日本の方々の協力があったからだ」と感謝しながら朝・日友好、連帯の必要性を訴えた。

 神戸朝高の崔仁美さん(高2)は、毎日通学に利用する駅で署名活動に参加した際、初めは恥ずかしくて声をかけることができなかったが、署名に進んで協力してくれた日本市民に励まされたことで署名活動に積極的に参加できるようになったエピソードを披露。「多くの日本の方々が応援してくれていることを知り、大変勇気づけられた。民族の言葉や歴史、文化を学び、自分のルーツを知るのに欠かせない民族教育は、私たちのプライド。より多くの人々に知ってもらいたい。私たちは胸を張り、前を見て、しっかり歩んで行きたい」と述べると、会場は万雷の拍手で包まれた。

 神戸学生青年センターの飛田雄一館長、兵庫県教職員組合の北谷錦也教文部長らも登壇し、「無償化」適用のために力を合わせてたたかうことを呼びかけた。

 満場一致で採択された集会アピールは、「無償化」適用を求める運動が各地で展開されていることについて言及しながら、井戸敏三兵庫県知事が「朝鮮学校をほかの外国人学校と差を設ける必要はない」とし、県で朝鮮学校への補助金を支給する予算が組まれたことを指摘。また、国連・人種差別撤廃委員会などが日本政府に差別の是正を勧告したことなどについて強調し、「民主主義の原点である『教育の機会均等』を保障するために、朝鮮学校を直ちに高校無償化の対象にするよう」強く求めた。

 集会アピールは近日中に代表者を通じて日本政府に提出される。

[朝鮮新報 2010.7.28]