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「神奈川オリニフェスタ『ミレ』2010」 遊び、工作、笑顔の一日

「マンモス朝鮮幼稚園」開校、教育フォーラムも

 「神奈川オリニフェスタ『ミレ』2010」(共催=女性同盟神奈川、神奈川青商会)が6月27日、鶴見朝鮮幼稚園で開催され、学齢前児童、保護者、学校関係者などの地域同胞ら約400人が集まった。6回目となる今年は、「子どもたちが楽しめる場をつくろう」という従来の目的に加え、新たに大人を対象とした教育フォーラムも行われた。

笑顔溢れる一日保育

オープニングでは、子どもたちが先生に合わせて元気よく歌って踊った

先生の問いかけに大声で返事する姿も

 「マンモス朝鮮幼稚園」と銘打ったこの日の体験保育には、神奈川県下の朝鮮、日本幼稚園に通う園児らとともに、保育士として川崎、南武、鶴見、西東京第2の朝鮮幼稚園教員と朝鮮大学校保育科学生らが参加する大規模なものとなった。

 当日は、3、4、5歳の年齢別に分かれた教室と、その他乳幼児から2歳の子どもたちの遊び場、初級部児童のためのビデオ鑑賞室など全対象に合った空間が設けられ、保護者らが同時刻に行われるフォーラムに集中できるよう「完全保育」体制がとられた。また、各教室や廊下には、梅雨の季節に合ったさまざまな生き物や植物などの装飾が施され、子どもたちが楽しい思い出を作れるようにとの配慮がいたるところで垣間見られた。

 体験保育は、歌と踊り、造形教室をはじめ、紙芝居やパネルシアター、音楽劇など多彩なプログラムで繰り広げられた。また、そうしたワークショップの大半が朝鮮語で行われ、「肩は『어깨』」「頭は『머리』」など、歌に交え子どもたちに教える場面も見られた。造形教室で行われたうちわ作りでは、裏側に朝鮮語で自分の名前を書いてもらい、目を輝かせる子どもたちの姿も。この日、どの教室でも、終始子どもたちのにぎやかな笑い声と歌声が響き渡っていた。

 2回目となる体験保育に訪れた金孝順さん(大船市在住)は、児童らの笑顔と教員たちの熱心な姿にふれ、子どもを「ウリハッキョに送りたい」とあらためて強く感じたと話した。

地域をつなぐ

紙芝居に夢中になる子どもたち

 鶴見朝鮮幼稚園教員の尹守枝さんは「神奈川県下では近年、ウリハッキョへの進学率が維持され続けている」と話す。また、それは日ごろから学校の宣伝活動や各種行事、財政問題の解決に奔走する、県下の「オンマ、オリニ会」と、地域青商会の地道な活動の賜物だという。

 今回実行委員を務めたのも各地域の「オンマ、オリニ会」責任者と青商会メンバーたち。日頃地域ごとに子育て支援活動を行ってきた彼らが一丸となって取り組む「オリニフェスタ」は、県下ネットワーク強化のきっかけにもなっている。

 金慶愛実行委員(女性同盟神奈川県本部子女部長)は今回のフェスタを通じて、「各地域、各学校の『学校発展のために』という共通の想いがつながり具体的な形となったと思う」とし、半年間の準備過程で共有した時間や労苦、喜びは、今後の地域間ネットワークを拡大するうえでの大きな糧になると話した。

 初めて実行委員を任されたという李民愛さん(南武「Kids」責任者)は、「他地域のオモニたちとふれあい、子育てにおける互いの考えや悩みをわかち合い励まし合うことができた。今後は地域を超えた活動にも積極的に参加していきたい」と話した。

 一方、初開催の教育フォーラムも好評を博した。フォーラムは宋成烈氏、金明俊氏、藤代隆介氏をパネラーに迎え、「民族教育の展望」をテーマにそれぞれの視点で提言がなされた。(周未來記者)

[朝鮮新報 2010.7.5]