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東京中高学区の初級学校教員の交流会

経験共有、視野広げる一助に

授業を参観する東京中高学区の初級学校教員たち

 東京朝鮮中高級学校学区の初級学校教員による授業参観および交流会が19日、東京朝鮮第9初級学校で行われた。東京第9初級はここ数年、教育事業での大きな前進があるところだ。

 交流会には東京中高の慎吉雄校長、朝鮮の「英雄」称号を授与された西東京朝鮮第2初級学校の李正愛校長をはじめとする各校の校長、教員たちが参加した。

 交流会は10年前から行われてきたが、授業参観とその評価、教育事業で培った経験と教訓を共有するための学年別教員の意見交換会が開かれるのは初めて。「民族教育を強化する年」の要求に沿って、一時中断されていた交流会を発展させたものだ。

授業参観、意見交換会

 授業参観は、1年生から6年生までの3、4時間目が公開された。参加者たちは国語(朝鮮語)、算数、理科、社会、日本語と体育の授業を参観した。教員と共に第9初級の学父母たちが授業を見学した。

 授業を参観した教員たちは、「教員と生徒が呼吸を合わせて授業に臨んでいた」「校舎がきれいだ。生徒たちはあいさつがしっかりでき、授業にも積極的だった」「機会があるたびに学校を訪れ授業を参観する学父母たちの、民族教育に対する期待と情熱にあらためて頭が下がる思いだ」と話した。一方で授業中の規律、服装、展示物や言葉使いに対する指摘も行われた。

学年別に開かれてた教員同士の意見交換会

 授業を受け持った教員たちは「父母参観とはまた違う緊張感があった」としながら、他校の教員から見守られることは貴重な経験であり、今後の助けになると話した。

 授業参観に続いて学年別教員の意見交換会が行われた。

 意見交換会は心理的特徴や学年ごとに共通する問題点を浮き彫りにし、解決策を探るために学年別で設けられた。

 6年生の担任教員たちの意見交換会では主に進学指導、学父母との向き合い方について話された。

 ここでは、「進学問題を円滑に解決するためには、1年生の頃から学校をあげて取り組む必要がある」「東京中高中級部教員との連携を深めつつ、教育水準を引き上げる努力をしていくべきだ」「生徒間の人間関係がスムーズにいくようにもっと関心を払うことが肝要」といった意見が交わされた。

 この他にも国際結婚から派生する国籍問題や、学力、身体能力の差から自信を喪失した生徒のモチベーションを上げるための活動など多岐に渡って意見交換が続いた。

 意見交換会の後、交流会が開かれた。東京第9初級オモニ会が焼肉を準備し、教員たちをもてなした。

 オモニ会のメンバーは、「生徒たちのために献身的に働く教員たちに感謝している。今後もよりいっそう力を合わせて学校のために奮闘していきたい」と話した。

 この日、教員たちは、「同じ学年を受け持つ教員たちと経験を分かち合うことで視野を広げることができた。今後、起こりうる問題に対処するうえで有益な情報を交換できた」と感想を語った。ある新任教員は「先輩教員の民族教育に懸ける情熱に触れたことが何よりの収穫。参考書にはない貴重な話も聞けた」と語った。

 慎吉雄校長は、初級部と中級部の連携をいっそう深め、よりよい教育環境を作っていきたいと述べ、民族教育を発展させていこうと呼びかけた。

 交流会は今後、東京中高学区の初級学校を回りながら行われる。将来的には初中級学校の初級部教員、東京中高中級部教員を交えて教育事業の経験と教訓を分かち合う場にしていく予定だ。

 同日、東京第1朝鮮初中級学校付属幼稚班では幼稚班教員たちの参観があった。(鄭尚丘記者)

[朝鮮新報 2010.6.25]