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「高校無償化」 各地同胞が要請活動

速やかな適用を

 朝鮮学校への速やかな「高校無償化」適用を求める要請行動が引き続き行われている。大阪、兵庫、京都のオモニ代表ら(9日)、東京朝鮮学園の理事ら(同)、山口、広島のオモニ代表ら(10日)が、それぞれ内閣府と文部科学省の関係者らと会い、菅直人首相と川端達夫文科相あての要望書を手渡した。

■大阪、兵庫、京都のオモニたち

文科省の専門官に要望書を手渡すオモニ代表

 大阪、兵庫、京都のオモニ代表たち16人は、文科省初等中等教育改革PTの三木忠一専門官と会い、各地域の代表らがそれぞれ要望書を手渡した。

 大阪の要望書は、4日に行われた「すべての子どもたちに平等な権利を! 六・四大阪集会」で採択されたもの。集会では、5月末にスイス・ジュネーブの国連欧州本部で開かれた「子どもの権利条約」対日審査会で、オモニたちが行った活動内容が報告された。兵庫は兵庫朝鮮学校連絡協議会、京都は朝鮮学校オモニ会京都府連絡会名義の要望書をそれぞれ渡した。

 この日の要請行動には、社民党の服部良一衆議院議員が同行した。

 席上でオモニたちは、「無償化」適用を求めて子どもたちが行っている街頭宣伝や朝鮮学校を訪問した県・市議会議員、日本市民たちの反響などについて言及しながら、子どもたちが朝鮮人として堂々と希望に満ちた環境で学べるようにすることは、朝鮮学校の保護者たちの切実な願いだと訴えた。

 文圭生さん(女性同盟兵庫尼崎東支部子女部長)は、「異国で生まれ育つ子どもたちに自国の言葉と文字を学ばせるのは当然のことだ。いつ、誰が学校を訪れても、朝鮮学校が日本の高等学校と同じ水準で教育を実施しているということを認めるはず。新首相が必ず朝鮮学校の生徒たちに会うことを期待している」と述べながら、「私たちの声に耳を傾けて、一日も早く問題を解決しなければならない」と強調した。

■東京朝鮮学園理事ら

文科省に要請を行う東京朝鮮学園の理事たち

 東京朝鮮学園の金順彦理事長をはじめとする5人の理事たちは、文科省初等中等教育局財務課高校修学支援室の佐藤光次郎室長に要望書を手渡した。

 要請行動には、社民党の重野安正幹事長、吉泉秀男衆議院議員、中島隆利衆議院議員が同行した。

 席上、理事たちは日本学校と比べても遜色のない朝鮮学校の教育課程と、各種インターハイやコンクールにおける朝鮮学校生徒たちの活躍、保護者たちが果たしている納税義務などについて述べながら、「無償化」適用の除外は「給付もなければ、控除もない」という2重の差別施策だと指摘した。

 金理事長は、「過去には朝鮮学校を力で抑え、法で規制してきた。そのうえに今は、どうにか朝鮮人を仲間はずれにしようとしている。今回の問題からも、ひどい差別を感じずにはいられない。昔も今も変わらない日本政府の民族差別施策を、どんな圧力があっても必ずなくさなければならない」と語った。

■山口、広島のオモニたち

文科省への要請を行う山口、広島のオモニたち

 山口、広島のオモニ代表たち13人は、平岡秀夫内閣府副大臣と文科省の関係者らのもとを訪れた。山口のオモニたちは、「山口県民族教育を支えるオモニ達のネットワーク」、山口朝鮮初中級学校オモニ会名義の要望書と3千人分の署名を、広島のオモニたちは、広島朝鮮初中高級学校オモニ会名義の要望書をそれぞれ手渡した。

 要請行動には、社民党の阿部知子政策審議会長が同行した。

 席上、オモニたちは、JR定期券問題や大学入試資格問題など、生徒と同胞たちの正当な要求が実現されてきた過程について言及しながら、「日本政府は在日朝鮮人の権利を保障する施策を進めるべきだ」と主張した。

 平岡副大臣は、南朝鮮から訪れた国会議員らも「無償化」問題を強調していたと述べながら、菅首相も「無償化」の本来の趣旨に則り判断しなければならないと考えていると思うと語った。

 女性同盟山口県本部の呂聖淑副委員長は要請を終えたあと、「今、山口には初中級学校がひとつで朝高はないが、すべての朝鮮学校のためにがんばろうと思う。同胞たちが一つになり、朝鮮学校を守っていかなければならない」と語った。(姜裕香記者)

[朝鮮新報 2010.6.14]