東京のオモニ緊急集会の発言から 愛と真心あふれる朝鮮学校 |
東京で16日に開かれた「朝鮮学校『無償化』要求! オモニたちの緊急集会」で発言した傅崎千登世さんの発言内容は次のとおり。 美しい出会い
私は、父が在日1世、母が日本人で日本籍を持つ在日2世だ。母方の日本人の祖父が、日本の罪滅しのために娘を朝鮮人に嫁がせたい一心で見合いをさせ、両親は結婚した。そのことを20歳まで知らずに日本人として暮らし、日本の学校を出た。 現在、日本人の夫と3人の子どもがいる。 4年前、西東京朝鮮第2初級学校の美しい子どもたちと先生に初めてめぐり合い、私と長女はどれほど朝鮮の血が騒ぎ、涙があふれて感動したことだろう。そして、3年前、6年生の長女が日本の学校から編入し、1年生の次男も一緒に入学した。現在、長女は神奈川朝鮮中高級学校中級部2年で、次男は西東京朝鮮第2初級学校3年だ。 オモニのみなさん、日本学校と朝鮮学校がどのように違うのかご存知だろうか? それは先生の子どもたちへの愛が違うと思う。長女もそのように言う。 西東京第2で6年生の1年間を学び卒業するとき、長女ははっきりと言った。「先生の愛情によって朝鮮人としての自覚が芽生えた。その先生を忘れることができない。学校に通わせてくれた両親にも感謝している」と謝恩会で話した。
本当の教育
朝鮮学校には本当に家族愛があふれている。先生は怒るときにはわが子のように遠慮なく怒る。子どもたちは親よりも先生が怖いのだが、愛を感じているのが本当にわかる。子どものことで心配事があると先生はわが子のように心から心配してくれる。 また、子どもたちには秩序がある。上級生は下級生の面倒を見てかわいがり、下級生は上級生を慕っている。家族愛に本当に満ちあふれている。これが本当の学校教育だと思う。 自分のことはいつも後回しにして、すべての時間と努力と真心を子どもたちに精一杯注がれる先生たちの姿を見ると本当に涙があふれる。 それで私はこの素晴らしい学校を多くの人に知ってもらいたくて、学芸会や運動会、バザーなどに必ず友人を呼ぶ。するとみんなが涙を流して感激する。 ある日本人の友人が朝鮮学校に感動して、「日本人でも入学できないか」と聞いてきたこともある。 また、ある日本人の友人は、朝鮮舞踊などを見て、水準の高さ、優美さにも驚くが、朝鮮の伝統や文化を大切にして子どもたちがそれを受け継いでいることに感動すると言った。 命がけで守りぬく 子どもたちは先生から、海を越えて朝鮮半島を愛する心、民族を愛する心を教わり、朝鮮の歴史、文化、言葉を学び朝鮮人としての自信と誇りを持って成長している。 日本の中で朝鮮人が朝鮮人として生きていくには朝鮮学校が絶対に不可欠だ。それで戦後60年間、在日同胞が命がけで学校を守りぬいた結果、現在学校が存在している。これは本当に在日朝鮮人の宝だと思う。 朝鮮学校に在籍するのは朝鮮籍、韓国籍を持つ子どもたちが大半だが、なかには日本籍の子どももいる。先生はどの子にも同じように等しく接してくれる。子どもたちの心にも「国境」はない。どれほど素晴らしいことか。ルーツは一つ、子どもたちは、困難な問題のすべてを越えてしまうのだ。 日本と南北朝鮮のもつれた過去の歴史を、朝鮮学校の先生と子どもたちが優しく溶かしてくれている。引き裂かれた民族を、子どもたちが朝鮮学校に集い、ともに学ぶ過程でもう一度取り戻してくれている。 子どもたちの心のなかに、南北に別れた朝鮮半島をいつの日か統一していくことができる、愛の種が植えられていると思う。 朝鮮学校の中から世界平和を実現しようとするすばらしい人材がたくさん育っていくと確信している。 ウリハッキョに子どもを通わせているオモニのみなさんとともに、自信と誇りを持って、日本の人たちにぜひ朝鮮学校の素晴らしさをもっともっと伝えていきたいと思う。 そうすれば、朝鮮学校を「高校無償化」から除外しようとする問題は解決できると思う。 子どもたちはもうすでに新しい歴史を創造している。 どうか日本のみなさん、一度、自分の目で朝鮮学校のすばらしさを確かめてください。 [朝鮮新報 2010.3.23] |