「高校無償化」 同胞青年ら街頭宣伝、市民ら激励 |
「学ぶ権利の侵害、許されない」
各地の同胞青年たちが朝鮮学校を「高校無償化」の対象に入れるよう求め街頭で宣伝活動を行った。11日には北海道、福島、茨城、群馬、栃木、埼玉、東京、千葉、長野、愛知、岐阜、京都、兵庫、福岡、12日には宮城、西東京、大阪、山口で行われた。朝青、留学同、青商会を中心に各機関と団体の活動家、同胞、朝鮮学校の生徒、教職員、保護者ら1100余人が29の駅周辺60余カ所で3万8千枚のビラを配布した。 声を張り上げ、一生懸命ビラを配る姿に心を打たれ、同胞青年らを激励する日本市民もいた。 東京・上野駅周辺でビラを受け取った20代前半の3人の日本市民らは、「在日朝鮮人は納税義務を果たしており、当然『無償化』の対象に含まれなければならない」「われわれと同じ世代の青年たちが後輩のために頑張っているので必ず無償化されるだろう」「日本には私たちのような考えを持つ人が多いということを伝えてほしい」などと語った。 京都・東寺駅周辺で同胞青年たちを激励した南源子さん(77、京都市南区在住)は「朝鮮学校を排除しようという動きに憤激している。在日朝鮮人は長い間暮らしてきた日本社会の一員だ。朝鮮学校にも適用されるよう応援している」と述べた。
除外に反対する市民
「朝鮮学校を『無償化』制度から外そうとする動きは、日本社会の中で起こっていること。本当は日本人が声をあげて訴えなければならない問題だ」と話す須藤久美子さん(東京都在住)は11日、3人の友人らと共に、JR水道橋駅周辺で宣伝活動する同胞青年らに交じり、「無償化」除外の不当性を訴えた。 「北朝鮮バッシングが凄まじいなかで青年たちが街頭に立ち呼びかけているということに感動し、ぜひ協力したいと思った」と彼女たちは語った。 須藤さんは、「朝鮮学校だけが除外されると聞いたときは、ただただ驚いた。政治問題と絡めて学生たちを的にし、彼らが学ぶ権利を害するのは許せないこと。インターネットを見ても、朝鮮学校に対する誹謗中傷が目立つが、同じ日本人として本当に恥ずかしい。このような状況に首をかしげている人は多いはずだ」と述べた。
「日本人が声を」
「高校無償化」制度から朝鮮学校を除外しようとする動きがあるなか、日本市民が自国の深刻な人権問題としてこれに反対する署名活動などを繰り広げている。 3日、衆院文科委員会に5千余人の署名を提出した東京朝鮮中高級学校にはそれ以降、16日まで2700余人の署名や応援のメッセージが日本市民から寄せられた。 メッセージには「許しがたい排外主義攻撃に私たちも断固抗議のたたかいに立ち上がります。がんばりましょう」「子どもたちのことを思うといてもたってもいられない。どこまで恥ずかしい日本なのか。あまりにも歴史を知らない人が多すぎる」「いい結果が出ることを待っている。そうでない結果の理由などありえない」など、朝鮮学校の生徒や関係者への激励や、政府に対する怒りを表す言葉が綴られていた。(取材班) [朝鮮新報 2010.3.17] |