top_rogo.gif (16396 bytes)

「幼児教室講師講習会」 民族の心を子どもたちに

参考資料、CD、DVD配布

ウリマルでいろんな手遊びが行なわれた

 2月27日、東京・北区の東京朝鮮中高級学校で「幼児教室講師講習会」(主催=総連中央民族圏委員会)が開かれ、関係者らが参加した。

 韓貞淑・総連中央民族圏委員会副委員長の話によると、学齢前の同胞幼児を対象に開かれている幼児教室は、北海道、宮城、福島、新潟、福井、千葉、東京など日本各地に17カ所設けられており、子どもたちが朝鮮の歌や言葉に触れ、民族的情緒を育む場となっている。幼児教室の講師講習会が開かれるのは初めてで、今後より多くの地域で幼児教室を展開していく構えだ。

 この日は、新しく編さんされた幼児教室の保育内容についての「教材(みんなで会って手をつないであそぼうよ)」の解説について金琴順・元朝鮮大学校教員が、モデル授業について尹守枝・鶴見朝鮮幼稚園主任が、実技の学習について金峰華・朝鮮大学校教育学部保育科准教授がそれぞれ講演した。

 金琴順元教員は、人格形成の土壌となる幼児期に、@出会いの喜び(コミュニケーションの基礎)A体験の感動(意欲、模倣、工夫、達成感など)B共に過ごす喜び(社会性)を育み、民族的感情・情緒(食べ物、生活習慣、色彩、言葉など)の土台を育てることが大切だと話し、「言葉に関して言うならば、子どもたちは言葉に対する潜在力を持っている。日頃朝鮮語を使う家庭においては、最初は話せなくても、濃音や激音といった朝鮮語の特徴を聞かせるだけで、それが日本語とは違うと区別できるようになる」と強調した。

 金元教員の話によると、初級部入学時に子どもは、通常約2千単語くらいの言葉を知っていると言われる。しかし、中には語彙数が500単語に満たない子どももいる。「人は言葉でイメージをふくらませ、論理的に思考するようになる。状況を分析、対比、解決する力を身につけるのも言葉があってこそ。知識習得の土台となるだけに、幼児期から人の話をよく聞き、人に話せる力を育てて欲しい」と語った。

ペープサートを作る参加者たち

 幼児教室は、毎月1〜2回、1回につき1時間を目安に運営される。参考資料に示された4月の進行内容を尹守枝主任が実践した。

 「アンニョンハセヨ!」

 尹主任は笑顔で現れ、子どもが頭を下げてあいさつをすると、頭をなでるしぐさをした。4月の授業のねらいは、あいさつと名前をよばれたら返事をすること、そして「春」を感じることだ。歌や手遊び、紙芝居、色とりどりの掲示物で子どもの興味をひきつける内容だった。

 朝大教育学部保育科の金峰華先生の実技の学習では、体を使った遊びやペープサート、タオルシアター、靴下シアター、紙コップシアター、パネルシアターなどが多数取り上げられた。

 終了後、参加者たちは「盛りだくさんな講習だった」と口をそろえた。

 金知華さん(27、北海道)はこの春から幼児教室の講師を担う。「対象者は4〜6歳まで10人くらい。子どもたちのために学んだことを生かしていきたい」。「啓先さん(36、神奈川県)は、「湘南西湘支部では、これまで尹先生に来てもらって『幼児教室』を行ってきた。先生はやはりプロ。子どもの気持ちをうまく引きつけている。素人のオンマたちが年齢の異なる子どもたちを多数相手にするのはとても大変。その辺の工夫が必要だ」と課題を話した。

 参加者たちには、「教材(みんなで会って手をつないであそぼうよ)」と、そこに掲載された歌を収録した副教材「幼児教室歌集」(CD)、日本各地の朝鮮幼稚園の生活を収録したDVDが配布された。(金潤順記者)

 講習、参考資料の問い合わせは、総連中央民族圏委員会まで(TEL 03・3262・7111)。

[朝鮮新報 2010.3.12]