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「高校無償化」 学父母たちの声 「心を傷つけないで」

 李鴻基さん(43、東京都)

 朝鮮学校を「無償化」の対象にすることは、日本にとっても多文化・多民族共生という点でプラスになるのではないか。私たちが学生の頃は、差別も多く、朝高生と日本の学生とのいさかいも絶えなかったが、今は違う。大学受験やスポーツ大会の公式戦参加などが認められ、朝高を取り巻く環境もずいぶん変わった。10代の多感な子どもたちが差別によって傷つき、日本人や日本の社会に対して反感を持たないかと心配だ。未来を担う子どもたちの心にしこりが残らぬよう、ぜひとも「無償化」問題を解決してもらいたい。

 尹京順さん(39、東京都)

 「無償化」の対象から朝鮮学校だけを除外しろとの発言を聞いて、「また差別か」と思った。これは子どもたちに直接関わる問題だけに、オモニとして立ち上がらないわけにはいかない。
 知り合いからは携帯電話を通じて即時連絡が回り、「無償化」除外に賛成か反対か意見を求めるサイトに投稿しようと呼びかける内容のメールが届いた。朝には私たちにとって悪い意見が多かったのに、夕方にはそれを上回る反対意見が寄せられ、みんなの力はすごいと思った。今回、問題化されたことによって人々の関心が高まる中、東京中高には国会議員が多数訪問することになった。これを機に、たくさんの日本の人々にもっともっと朝鮮学校を知ってもらいたい。

 「啓先さん(36、神奈川県)

 高等学校「無償化」の対象から朝鮮学校を除外することは、時代の流れに逆行する行為である。実家の母も「気分が悪い」と怒っていた。子どもの権利は守らなくてはならない。政治家と呼ばれる大人が子どもを差別し、子どもたちの心に差別を植えつけ、子どもの心を傷つけるようなことをしてよいのか。
 問題化された直後にいろんな所からメールが配信されてきた。このすばやい対応力と行動力に同胞社会の団結を見るような気がした。そして、日頃疎遠になっていた友だちから届くメールの多さに、同胞社会も捨てたものではないと実感した。「無償化」実現に向けて力を合わせていきたい。

[朝鮮新報 2010.3.12]