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〈朝鮮大学校第52回卒業式〉 期待と抱負を胸に

 朝鮮大学校第52回卒業式が10日、同校で行われた。総連中央の許宗萬責任副議長と南昇祐副議長、梁玉出教育局長、同校の張炳泰学長と朴英植理事長、教職員、在校生と学父母らが参加し、卒業生たちの門出を祝った。式では、南昇祐副議長が朝鮮教育省からの祝電を紹介したのに続き、許宗萬責任副議長が祝賀のあいさつを行った。続いて、張炳泰学長が学事報告を行った後、卒業生たちに卒業証書を手渡した。また、朝鮮教育省の表彰や卒業論文などの各表彰と賞が授与された。卒業式終了後、卒業生による公演が披露されたほか、祝賀宴も行われた。

他地方で活動家に

母校での最後の公演

 文学歴史学部(以下、文歴学部)で学び、北海道朝鮮初中高級学校で教べんをとることになった韓玉順さんは、広島朝鮮初中高級学校の出身。4年間を通じての一番の思い出は、四国朝鮮初中級学校での教育実習と卒業式の2日前に行われた文歴学部の総括公演だと話す。

 もともとは山陰朝鮮初中級学校で学んでいたが、母校がなくなったあとに広島初中高に転校。朝大進学後は進路を決めかねていたが、教育実習が彼女に大きな刺激を与えた。

 「四国初中は、生徒数が少ない中でも先生や学父母はもちろん、すべての地域同胞たちが学校を守ろうとがんばっていた。その姿を見て、民族教育が置かれた厳しい現実を体感し、微力ながらも民族教育を守り発展させる仕事につかなければならないと考えるようになった」と彼女は話した。

 彼女の決意をさらに強いものにしたのが総括公演だった。

 「卒業式とも重なって準備は本当に大変だった。その過程で友人たちと人生観について話し合ったり、時には言い争ったりもした。夜を明かして話し合ったことも何回もあった。そして、すべての文歴学部4年生が専従活動家になる決意を固めた」

 親元を離れ、北海道で教師になることには若干の不安はあるが、「文歴学部のすべてのトンムたちが各地で頑張る姿を励みに私も教育事業に献身していく」と力強く語った。

 北海道出身の崔輝勇さん(政治経済学部)は、朝青静岡県本部の専従活動家になる。

 「喜びや悲しみを分かち合えたトンムたちとの4年間。その一日一日すべてが思い出」と話す彼は、朝大で人生の同志を得ることができたことが何よりもうれしいと述べた。そして、「同級生たちは皆、同じ気持ちで各地でがんばるだろう。僕も彼らに負けないよう一生懸命やっていきたい」とほほ笑んだ。

多くを学んだ4年間

新たな決意を胸に刻む卒業生たち

 外国語学部の金主純さんは、寄宿舎生活が嫌で朝大に入学することをためらっていたという。しかし、「トンムたちと四六時中一緒に過ごせることの素晴らしさを知ることができた。一緒に笑ったり悲しんだり、いろいろな相談をしあったことが自分にとって力になった」と振り返る。

 そして、「恵まれた環境で守られてきたこれまでとは違い、社会は厳しいと思う。4年間に習ったこと、感じたことを胸に後代のため、同胞社会のためにがんばっていきたい」と抱負を語った。

 理工学部を卒業後、研究院を卒業しだ炯柱さんは、九州大学大学院での修士課程を経て、4月から神奈川県下の教員となる。

 大学院では保全遺伝学、とくに朝鮮のクロツラヘラサギなど渡り鳥の保護研究に没頭した。研究を通じ、祖国とのつながりをいっそう強く感じるようになったといゔさんは、「祖国のおかげで貴重な研究をすることができた。これまでの経験を生かし、子どもたちにも祖国の重みを伝えていきたい」と話していた。

 理工学部の趙栄貴さんは、卒業後、筑波大学大学院に進学する。

 「何のために学び、自分の知識をどう生かすべきかを学んだ4年間だった。自分のためだけでなく、同胞社会に貢献しなければならないと思っている」と述べ、「朝鮮学校では現在、理科の教員が不足している。有能な教員になれるよう研究に励みたい」と決意を語った。(文=李松鶴、李東浩、写真=文光善記者)

[朝鮮新報 2010.3.12]