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「高校無償化」 衆院文科委 田中委員長が会見

「高校生の思い、知った」

 3日、東京朝鮮中高級学校への視察を行った衆議院文部科学委員会田中委員長は記者団と会見を行い、先の世田谷区医師会立看護高等専修学校、横浜市内のドイツ人学校の東京横浜独逸学園も含め、視察の感想について「たいへんいい勉強ができた」と話した。

 とくに朝鮮学校の視察に関しては、「率直な意見交換ができた。教職員、保護者、生徒らが率直に意見をおっしゃってくださった」と述べた。

 今回の視察は、朝鮮学校の「無償化」制度適用資格を疑問視する閣僚の発言が相次ぐ中、実情を把握、調査し、審議に生かすために行われた。

 同氏は朝鮮学校の適用問題について「これから議論をしていく。その中でいい結論が導きだされればいいと思う」と答えた。

 これまで国会議員が同校を訪れ授業参観などを行ったことはあるが、今回のような大規模訪問は初めて。

 同氏は、「授業を参観し、(懇談会で)7人の生徒と話したが、彼らがどういうことを考えているのか、(今まで)わからないことが多かった」と明かした。

 同氏によると、懇談で生徒らは「日本人が日本を愛するのと同じように祖国を思う気持ちがある」「(朝鮮)学校で勉強して民族の魂を養って」おり、「祖国統一の力になりたい」「同胞社会のためになりたい」などと話した。

 これに対して同氏は、「高校生がそういう気持ちを持っていること、内向きな考えではなく、外に向けて日本社会や国際社会でやっていきたいという思いを持っていることをわかることができた」と話した。

 この日、生徒らは鳩山由紀夫首相に朝鮮学校を除外しないよう求める5千人の署名を同氏に手渡した。これについては、今後、事務方を経由して文科省から渡すことになるという。

 同氏は、「これから活発に意見交換をしながら、よい結論を導きだして、外交や教育など問題が入り混じっているが、将来の日本の立ち位置を考えながら、よい結論が導きだされるようなよい議論ができることを期待している」と述べた。

 そして、この日の視察もふまえ、「多角的、総合的に結論を導き出したい」としながら、今後の審議で、参考人質疑を行う意向を示した。

[朝鮮新報 2010.3.5]