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「高校無償化」 社民党の又市副党首ら 東京中高を視察

「憲法違反、差別してはならない」

東京中高・高級部の授業を視察する社民党の議院たち

 4月からの実施を目前に控えた「高等学校無償化」制度と関連して、社民党の又市征治副党首と阿部知子政策審議会長、吉泉秀男衆議院議員が3日、東京・北区の東京朝鮮中高等学校を視察した。

 午前10時、議員らを東京朝鮮学園の金順彦理事長と慎吉雄校長、学校関係者たちが出迎え、校内を案内した。議員らは、高1・2年の英語、日本語、音楽、コンピュータの授業などを参観した後、学校関係者および生徒たちと懇談した。

 懇談会では、金理事長と慎校長が、同校の沿革と教育カリキュラム、運営実態などについて説明。また、生徒たちは学校生活の楽しさについて話し、「無償化」制度から朝鮮学校が外されることがないよう努力してもらいたいと訴えた。

 懇談会では、「無償化」の対象から朝鮮学校を外さないよう求める福島みずほ党首にあてた要望書が、又市副党首に渡された。

 又市副党首は、朝鮮学校を視察した感想について「生徒たちがとても明るく、彼らの瞳が輝いていたことが印象深かった」と話し、朝鮮学校の「無償化」除外は、(法の下の平等や教育を受ける権利を定めた)日本国憲法と教育基本法に違反するものだと指摘。連立与党のメンバーとして政府内で現れている朝鮮学校除外の議論を正したいと話した。

 そして、2日、鳩山首相が朝鮮学校生徒との面談に前向きな意思を示したことについて言及し、「生徒たちも首相と会いたいとの意志を持っている。その旨を伝える」と話した。

 阿部政策審議会長は、朝鮮学校に「無償化」制度が適用されて、生徒たちに思う存分に学べるよう、日朝間の新しい未来を切り開いていかなければならないと話した。

 議員らは同日午後、国会で鈴木寛副文部科学相に朝鮮学校を支給対象から外さないよう申し入れた。

文部科学委員会 東京中高を視察

慎吉雄校長の案内で東京中高を視察する衆議院文部科学委員会の田中眞紀子委員長

 一方、同日午後、「高校無償化」法案を審議中の衆議院文部科学委員会・田中眞紀子委員長をはじめとする委員ら23人が、同校を視察した。朝鮮学校を日本の国会議員らが多数訪問するのは初めて。

 一行は、東京朝鮮学園・金順彦理事長と慎吉雄校長、学校関係者らの案内のもと施設内を見て回った。

 高1・高2の日本語、国語、習字、英語の授業を見学した一行は、学校関係者と生徒、保護者たちと懇談会を開いた。

 懇談会では、慎校長と金理事長が学校の沿革と教育カリキュラム、運営実態等について言及し、生徒や保護者、教職員との質疑応答が行われたほか、生徒たちの「夢」について聞く場面も。続いて、生徒たちが「無償化」の対象から朝鮮学校を除外しないことを求めて集めた約5千人の署名を田中委員長に手渡した。

 その後、記者会見を開いた田中委員長は、「今日は(朝鮮学校の)教職員、保護者、生徒も参加し、率直な意見交換ができた。これから活発な意見交換をしながら、文科委員会の中で日本の将来を見通して良い結論が導き出されるような議論ができることを期待する。いろいろな情報を聞いて、多角的、総合的に結論を導き出したい」と話した。

[朝鮮新報 2010.3.5]