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「ウリミレEXPO」が生んだ意識改革 「主人公になれる!!」

 11月7日に東京朝鮮中高級学校で在日同胞青年祝典「ウリミレEXPO」が行われてから約1カ月が経つが、その成功は若い世代に大きな自信をもたらしている。

 多くの参加者が「従来の行事とは一風違ったイベントだった」「すべてにおいて斬新さが際立った」などと語っている。

 祝典に関わった多くの青年たちはいま、自らの活動を通じて、「時代の転換期」を切り開いていく世代の責任を果たそうと力強く動き出している。

 神奈川からは、ふだん県内で催される行事参加者数を超える数の朝青員らが祝典に参加した。

 朝青神奈川県本部では、9月から同胞青年祝典当日の11月7日まで「100%サラン(愛)」と称した運動を展開した。

青年たちの力強い姿が目立った「在日同胞青年祝典」

 サラン運動とは、▼支部サラン▼神奈川サラン▼学校サランを軸に、朝青員らを取り巻く周囲の環境を大切にしていくことを重視した。10月には各支部の役員を集め講習を開催、部署活動の強化、実践力について考え、祝典に向けた宣伝活動をがんばっていこうと誓い合った。

 サラン運動の期間中、班総会が開かれるなど支部活動が全般的に底上げされた。情報誌を発刊する班も生まれた。本部ホームページ(http://cckanagawa.com/index.html)の更新、県下ボクシングジム所属の世界王者である李冽理選手への応援(李選手は10月2日の世界戦で王座奪取)、朝青中央体育祭への出場(サッカー部門で川崎支部が29年ぶりの優勝)など活発な運動も進めた。

 「とにかく大胆に取り組んでみよう」。このような気風も生みだしたサラン運動は、継続性のある活動の重要性についても考えるきっかけになり、これが祝典参加者数の増加につながった。

 一方、留学同の学生たちは、祝典のスタッフとして準備を進めることで、同胞社会に自分たちの力で新たな風を送り込む自信を持つことができたという。

 京都府出身で留学同東京の呂仁花さん(東洋大学4年)は、朝鮮学校に通っていたころのような「心のよりどころ」を祝典会場で感じたという。

 「たくさんの人を巻き込むことの大事さ、誘う側の責任感をあらためて感じた。集まる『場』が大事だし、これまで『受け継いできた民族性』を途絶えさせないためにも、留学同という枠にとらわれることなく、セセデ(新世代)同士の交流をもっと深めていきたい」

 李聖規さん(留学同埼玉、埼玉大学4年)は、「『心のよりどころ』を探せていない人たちがいるというのも事実。これから彼らを巻き込んでいかないと」と気持ちを引き締める。出身校である茨城朝鮮初中高級学校を守り、朝鮮名を名乗れず苦しんでいる同世代の青年に手を差し伸べていくためにも、活動の幅を広げていきたいと語った。

 地域同胞社会を担っていくのは、いつの時代も青年たちだ。今日を生きる青年もまた、その役割を高めていくきっかけをつかみ、周りへの「波及効果」を生み出していこうとしている。まさに、「同胞社会を担う主人公」としての気持ちを持つようになった。そのような「効果」に親世代の同胞たちが期待しているということも、彼らは感じとっている。祝典で同胞青年が感じたものは、明るい未来を創造する大きな力となりそうだ。(李東浩)

[朝鮮新報 2010.12.8]