朝鮮統一支持運動全国集会 砲撃戦、対話での解決主張 |
神奈川から平和のメッセージ 朝鮮統一支持運動第28回全国集会(横浜市、11月26〜27日)は、「韓国併合」100年にあたる年に開催された。集会基調報告にもあったように、今年は同時に、朝鮮戦争勃発60年、6.15共同宣言発表10周年を迎え、いずれも集会が目指す朝・日国交正常化、朝鮮の自主的平和統一と密接に結びつく出来事だ。ところが、集会直前の11月23日、朝鮮西海の延坪島一帯で北南間の砲撃戦が起きた。論議すべき問題は多々あったが、日本政府が朝鮮学校に対する「無償化」適用手続きを停止する口実にしたこの事件が中心テーマの一つとなった。
中心テーマの一つ
全国集会では、1部の冒頭から事件についての言及があった。司会者である朝鮮の自主的平和統一支持日本委員会(以下、日本委員会)の吉原節夫代表委員は、「日本国内の論調は厳しい。集会を通じて理解を深め、各地の支持者たちにきちんと説明できるようにしなければならない」と述べた。 続いて、主催者のあいさつをした実行委員会の原田章弘委員長は、「(日本の)メディアは韓国の言い分だけを伝えている。これは朝鮮を敵視する米国の思惑とも関連する。ことの本質を冷静に見極めるべきだ」と指摘した。 来賓のあいさつをした総連中央の南昇祐副議長も事件について言及。メディアは朝鮮が突如として砲撃したかのように報じているが、朝鮮の領土から12キロしか離れていない場所で南朝鮮軍が先に砲撃を加えた事実や、「北方限界線」(NLL)の不法性などについて説明した。 2部のシンポジウムのテーマは「『韓国併合』100年と朝鮮の統一」だったが、パネリストは発言の前置きで事件に対する自らの見解を述べた。 日朝文化交流協会の清水潤副理事長は、「海上の境界線は地上の境界線の延長でなければならないのに、地図を見れば分かるとおり、NLLは朝鮮の海岸に対してぎりぎりに引かれている。朝鮮にとっては容認できるものではない」と 述べた。 集会で採択された集会アピールは、「私たちは、軍事演習など緊張をあおる行為を中止して、話し合いで問題解決するよう求める」と指摘した。 率直な意見交換
全国集会に先立って、27日午前、20数名の各地代表参加のもと、全国代表者会が開かれた。各地での日朝友好活動が報告された一方、事件に関する「統一の見解」をまとめて声を発するべきだとして、率直な意見交換がなされた。 おのおのが見解を述べ終わると、ある参加者は「事件の発端は南の発砲だったなどとは初めて知った。南が行っていたという『護国』訓練の状況などについてもう少し具体的に説明してほしい」と求めた。 会議では、朝鮮半島問題に詳しい参加者が、李明博政権の対北対決姿勢やNLLの問題点、朝鮮の平和協定締結提案に応じようとしない米国の態度など、さまざまな角度から事件を解説した。 日々の活動に追われ、「民間人をも無差別に巻き込んだ北の蛮行」だけをクローズアップする日本のメディア報道だけを知る参加者たちの多くは、当初、砲撃戦を「衝撃的な事件」だとしてショックを隠しきれないでいた。集会での議論を通じて、事態の根本原因は南朝鮮と米国にあることを認識していた。 埼玉大学の鎌倉孝夫名誉教授は、「一方だけの資料に頼るのではなく、歴史的経緯も含めて全般を見て分析することが不可欠だ。確信を持てれば行動も起こせる。そのような人を各地で育てていかなければならない」と強調した。 神奈川県の代表は、連合海上演習に参加する米原子力空母ジョージ・ワシントンが神奈川県の横須賀基地から出航したことに遺憾を示しながら、ここからは艦船ではなく、平和のメッセージを発するべきだと強調した。(姜) [朝鮮新報 2010.12.3] |