神様は見ていた

第６オモニ会が総力で取り組んで出店したフードマダン

　東京第６オモニ会の２学期が大変なワケは、行事が次から次へと怒とうのように押し寄せてくるから。その中でも、年間最大級の売り上げをたたき出す売店行事が短期間に二度も重なる１０〜１１月は、さすがのオモニたちにも緊張が走る。１０月頭のオリニフェスタの傍ら行われていたのは第６バザー「コリアフェスタ」の実行委員会。追いかけてくるかのように続く行事、同時進行で行われる実行委員会に実行委員会、あぁもう実行委員会の大安売り！！

　来場者数倍増で大成功を収めたバザーのあとは、本来ならハッキョのある大田区が主催する区民フェスタの国際交流ブースに２日連続で出店するのだけれど、今年は在日同胞青年祝典「ウリミレEXPO」と日時がブッキング。かくしてウリミレのフードマダンへの出店は、迷いも協議もなく端から決定事項、なぜなら区民フェスタの売り上げはハッキョの年間予算に計上済み、最低でもその額を売り上げねばハッキョの運営に支障があるからです。

タッカルビ丼６００食、クレープ４００個

店の裏に回ると猫の手を借りたいほどの忙しさ

　目標、タッカルビ丼６００食＆クレープ４００個！！　こんな数字を聞いてもオモニたちはちっともひるみません、さあ行くぞ〜！！

　「ウリミレEXPO」は知ってのとおり関東近県の生徒たちは全員参加。全会員４０人総動員の第６オモニ会、あの広い会場でオモニたちが売店につきっきりになってしまったら子どもたちはどうする？　はい、売店担当のオモニたちの子どもはシフトの上がり時間に合わせて先生たちが売店まで連れて行きますのでご心配なく、というお知らせがすぐさま出ます。ハッキョあげての取り組みに次々とオモニたちの手も挙がり、前日の仕込み・当日の売り子・代休明けの片付けと３日分しっかり配置して準備オーケーです。

　前日の仕込みに来たオモニたちを待ち受けていたのは６０キロの鶏肉とダンボール３箱のタマネギ。事前にアボジ会会長の命を受けたという１年生のアボジが、本格的な砥石で研いでくれた包丁を持っていざスタート、切って切って切りまくること数時間。タマネギ切りに配置されたオモニの背中で泣きだした赤ちゃんはもしかして目が痛いのか？　と配置転換があったり、鶏肉班にはなぜ年長のオモニが集まったのか（くじ引きなのに）と笑ったり、こんな時こそオモニたちの本領発揮、楽しみながら切る作業無事完了です。

味よし、売り子もきっぷがいいといつも客でにぎわった

　午後になると次々と炊飯器がハッキョに届きます。６００食分のご飯をできるだけおいしく提供するために、最初大釜で何回か炊いた後は家庭用の炊飯器で時間差で炊きあげます。一升炊きの炊飯器の持ち主は食べ盛りの男の子のオモニたち。すべての準備を終え荷物を積み込んで、さぁまた明日！！

　当日の朝、会長らを乗せた荷物車がハッキョを出発したのはナント午前５時半。５時前に家を出るオモニをバックアップしてくれたのはアッパや子どもたち。そう、オモニたちのがんばりには家族の協力が大前提。家族みんなでハッキョのために！！

　赤いオモニ会Ｔシャツに黄色のギンガムの三角巾を会場で見かけた方も多かったでしょうがあれが私たちです！　目立ったのは服装だけではありません、ハッキョ行事以外にも地域のお祭りや区民フェスタなど場数をこなしているオモニたちの素人離れした呼び込みや客あしらいは群をぬいていたのでは??　味にも絶対の自信があるタッカルビ丼の売れ行きは好調です。

　お昼過ぎには早々とクレープが売り切れ。ところが、売っても売っても発泡スチロールの中にはまだまだ鶏肉が！！　６０キロの重みがオモニたちに圧し掛かります。え〜い、負けるもんか！？　ニョソンセンニム（女性教員）たちも一緒にがんばりました。売り子になって会場を回った第６ハッキョ自慢の幼稚班ソンセンニム２人の「タッカルビ丼どうですか？」のかわいい誘いを断ったトンポはいなかったはずです！？

「悲愴感が違います」

お揃いのTシャツでせわしなく働くオモニたち

　鉄板の前で飛び散る油やタレと格闘していたオモニたちにとって、想定外のうれしい出来事は、抽選会で旅行券１０万円やipad、DSなどを見事ゲットしたこと。１万人を超える来場者数の中での驚異の当選率に自分たちもびっくりです。ガラポンを引いた子どもたちだって次々とお米やウリウリコッポンオリDVDセットを持ってやってきます。「オンマ〜これ当たった〜」。ほらごらん、神様はちゃんと見ているんですよ。

　抽選会が終わる頃にはついにタッカルビ丼も完売、やったね！！　後になって聞いたら売り上げは全出店者の中でダントツのトップ。こちとらハッキョの運営がかかっているのです、オモニ会の予算の足しにしようなんてハッキョとは意気込み（悲愴感！？）が違います。…なんて、失礼しました！？

　これで嵐の２学期が無事終わり、やれやれです。会長、忘年会はどこで？　おっと、その前にビーチボールバレー大会が。まぁそれは純粋にお楽しみイベントだからして。まだまだ来年もがんばりましょうね！！（朴明姫・東京朝鮮第６初級学校オモニ会役員）

［朝鮮新報 2010.12.1］