山口・宇部小野田朝鮮会館新築10周年でフェスタ |
同胞団結、朝・日交流の拠点 山口・宇部小野田朝鮮会館新築10周年記念「KOREAフェスタ」が11月21日、同会館で行われ、同胞、日本市民ら400人が参加し た。総連支部管下のすべての機関、団体、事業体が共同で実行委員会を構成し企画したフェスタは、老若男女の同胞と日本市民らが共に公演や食事を楽しみ輪になって踊るなど、和気あいあいとした雰囲気に包まれた。参加者たちは、朝鮮会館が同胞の団結の中心であり、朝・日交流の拠点であることをあらためて実感した。
文化交流で盛況
フェスタでは、福岡と広島の朝鮮歌舞団、山口朝鮮初中級学校の生徒、日本市民らが歌や踊り、楽器演奏を披露した。会館で定期的に民族楽器を習う日本市民らもサムルノリを披露した。 会場となった駐車場には、女性同盟、朝青、青商会が準備したチヂム、キムチ、トックッなどの売店とともに地域の同胞飲食店の売店も並び、「コリアンフード祭り」が催された。実行委員会が想定した参加者数をはるかに超える人々が集まったことで、食べ物はすべて完売となった。 参加した同胞と日本市民らは、歌舞団が歌う朝鮮民謡に合わせてともに踊るなどし、会館新築10周年を盛大に祝った。同胞たちの笑顔は、会場入口に展示された10年前の竣工式の写真に写る姿と同じだった。10年間変わらず会館を守ってきた誇りと、これからも会館を拠点に支部と同胞社会を盛り上げていく決意の表れだった。 フェスタは宇部市、小野田市などの後援で行われた。地元新聞社が実施する募金運動にも協力した。交流のある地元の議員や市民らの尽力もあり、当日は多くの日本市民が訪れ、公演にも出演した。「市民レベルの日朝交流」の大切さをかみしめた。 姜徳洪支部委員長は「同胞たちが会館を建ててくれたからこそ今日のような楽しい場を設けることができた。同胞の団結と朝・日交流の拠点である会館をしっかり受け継いでいこう」と呼びかけた。
会館に込めた思い
同会館は敷地423坪、建坪165坪の2階建て、約40台分の駐車スペースがある。各団体、事業体の事務所、応接室、会議室、炊事場、100人収容の講堂が設置されている。新築当時、会館を訪れた来ひんたちは「素晴らしい会館だ」と賛辞を惜しまなかったという。 当時、建設委員の一人でフェスタの実行委員長を務めた南部商工会の金三郎会長はこう振り返った。 「当時の建設委員たちは、立派な建物を建てて同胞と若い世代に残そうと、費用を抑えつつより高い建築技術を求めて知恵を絞った。 会館は21世紀を生きる子どもたちを思う同胞たちの愛情によって建てられた」 その思いはしっかり受け継がれている。 各団体、各世代の代表らで構成されたフェスタの実行委員たちは3カ月の準備期間に10回の各種会議を開き、斬新な発想と強い責任感をもって準備を進めた。
女性同盟では、率先して仕事を受け持つことで事業費用を大幅に節約しただけでなく、役員たちは一人10枚、120人分のチケットをさばいた。フェスタ当日も朝早く出向き売店の準備を行った。
朝青は会場設備や備品の設置、大道具の運搬、警備、後片付けなどをすすんで行った。山口初中を支援するため独自に行っているチャリティー活動も大いにアピールした。朝青の活躍に、他の実行委員たちは「朝青員がいなければフェスタの成功はなかった」と感心しきりだった。 支部や分会、各団体の役員、同胞らが奮起する背景には、統廃合された学校への強い思いがある。 総連西宇部分会の尹功分会長は「地元のウリハッキョが統廃合されたことで、同胞の心は沈んでいた。何かしなければとみんな思っていた」と言う。女性同盟支部の文夏子副委員長も「同胞社会を守るためには、同胞が集まれる拠点が必要だとあらためて実感した」と語る。 この日は多くの日本市民が参加したほか、久々に同胞が集まる場に参加したという同胞もおり、関係者を喜ばせた。フェスタを成功させた達成感と誇りからか、関係者の表情は晴れやかだった。朝青や青商会の活躍がそれを一層ひきたてた。 尹分会長は「地域のため、同胞のため一つにまとまった」と笑顔で語った。(李泰鎬) [朝鮮新報 2010.11.29] |