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歌劇団のブログ

 金剛山歌劇団のブログアクセス数が伸びているという。最近始まった同ブログは、各地方での公演に関する団員の感想、エピソードなどが写真とともに掲載されている。興味深い内容が多い。

 歌劇団の公演を県や地域で担うことは並大抵のことではない。公演にかかる費用も小額ではない。経済不況の影響も顕著だ。それでも各地域同胞たちが、東京から大型バスに乗ってくる団員の到着を、首を長くして待ち、手作りの朝鮮料理をふるまったりして、温かく迎え入れてくれる。そのような同胞社会の一端が、ブログには綴られている。

 数年前に取材した愛知県下のとある女性同盟支部非専従委員長の顔が思い浮かんだ。委員長は歌劇団に何度も足を運び、「総連バリバリコンサートをぜひやってもらいたい」と訴えた。

 公演は、支部によるウリハッキョ応援キャンペーンの一環として企画された。祖国を愛する気持ちを忘れてはいけない、今こそ在日1世の思いを心に刻もうと、先代が愛した懐かしい作品を中心に上演され、大盛況となった。歌劇団と地域同胞らの情熱が実を結んだ舞台として今も強い印象を残している。

 不況の中で生活への打撃も深刻だが、時代は変わっても、守るべき組織、守るべき学校があるという思いに変わりはない。大切なものを簡単になくすことはできないと各地の同胞は今日も奔走している。より明るい未来を拓いていく思いを共有するためのヒントが、身近なところにあるかもしれない。歌劇団のブログはそのようなことも感じさせてくれる。(東)

[朝鮮新報 2010.11.15]