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〈information〉 記念館再建のきっかけに、チャリティーコンサート

李匡舜さん

 「〔SPIRITS〕丹波マンガン記念館再建YBチャリティーコンサート」(主催=同実行委員会)が27日、京都会館第一ホールで行われる。

 イベントは、昨年5月に閉館した「丹波マンガン記念館」再建支援の一環として企画されたもの。賛同者でもある南朝鮮のロックバンド「YB(ユン・ドヒョンバンド)」が無償で楽曲を披露する予定だ。

 「丹波マンガン記念館」は、日本の植民地支配下で過酷な労働を強いられた朝鮮人、被差別部落の人々の歴史を伝える、日本で唯一の「強制労働」博物館だ。

 コンサート実行委員の李匡舜さん(23、立命館大学4回生、京都留学同)は、同施設を初めて訪れた感想を、「これまで少しは知っているつもりだったが、実際の現場を見て、その悲惨さに言葉を失うほどの衝撃を覚えた」と振り返る。一方で、「こうした記念館が、京都に存在していること自体を知らない人は多いと思う。歴史を風化させてはいけない。『何かせなあかん』と思った」と語った。

 記念館は、初代館長の故李貞鎬さんと家族が私財を投じて1989年に開館された。以来、20年にわたり運営されてきたが、その間行政からの補助はいっさいなく、慢性的な経営難に悩んだ末、昨年5月に閉館を余儀なくされた。

 再建案が浮上したのは今年6月。同胞有志たちにより再建委員会が発足したのをきっかけに、支援活動が展開されてきた。

 李さんは、「本来ならこうした活動は、行政が行うべきこと。記念館の問題は、日本の過去清算問題の延長線上にある。今回のイベントが朝・日それぞれの人々にとって、この問題に関心を持つきっかけとなり、再建運動が活性化するようになってくれれば」と話す。

 現在、実行委員会ではインターネットやビラ配布などを通じて幅広い人々への宣伝活動に余念がない。

[朝鮮新報 2010.11.10]