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青森の朝青員

 先日、東北地方を回った。最初に赴いたのは青森。初めて訪れた地だが、とても印象深かった。キラキラ輝く津軽海峡を望み、特産物を少々味わったが、とりわけ心に残ったわけはそこにはない。

 7人の朝青員たちとの出会いに興味をかき立てられたのだ。彼らはみな日本学校の卒業生。朝青の活動にも熱心であった。東京で生まれ育った記者にとって、そのありようは新鮮だった。

 青森での朝青活動は、月1〜2度の食事会がメイン。彼らは同胞たちと集う楽しさと大切さを実感している。日本学校では味わえなかった同胞の温かさ、心置きなく付き合える気楽さが彼らを朝青の活動へと駆り立てるのだ。

 青森在住の同胞は少ない。県の面積は広く、同胞が集う最良の場であるウリハッキョがない。

 東京は、青森の4分の1にも満たない広さだが、同胞数は多くウリハッキョも点在している。とくに記者が住む地域は、同胞が密集する「トンネ」。過疎地の同胞社会の話を耳にすることはあったが、同胞とのつながりを渇望する同胞たちの心情に触れる機会がなかった。

 青森の朝青員たちは、同胞が少ない地域だからこそ、日校出身だからこその思いのたけで試行錯誤しながら活動に励んでいる。

 帰り際にある朝青員が連絡先を教えてほしいと言ってきた。もちろん、すぐに交換し、その後メールも交わした。

 なんだかうれしい気持ちと、「もっとたくさんの同胞と会いたい」と口にしていた彼らの気持ちを痛感した。(裕)

[朝鮮新報 2010.10.4]