第16回在日同胞大登山大会 群馬県至仏山、尾瀬ヶ原散策、「登山協会」結成15周年を祝う |
風雨の中、尾瀬の自然満喫
第16回在日同胞大登山大会(主催=在日本朝鮮人登山協会)が9月26〜27日、群馬県至仏山(2228メートル)登山と尾瀬ヶ原散策コースに分かれて行われた。 同登山協会は今年8月で結成15周年を迎えた。そのため昨年の4月から今年の9月にかけて、日本各地で百名山の登はんを目標に掲げ、「みんなで登ろう百名山、成し遂げよう祖国統一」の合言葉のもとそれをみごと完遂した。 今年も大登山大会には17都道府県から180人の同胞愛好家が集い再会を喜んだ。
初日は各地域ごとに現地へと向かった。関東の同胞たちはまず、午前9時半に新宿へ集合し、バスで群馬県沼田市にある吹割の滝に向けて出発した。
「東洋のナイアガラ」との異名を持つその滝は、水量も豊かで豪快に流れ落ちていた。そのしぶきをあびながら散策を楽しんだ一行は、午後4時にホテルへ到着し、温泉で日ごろの疲れを癒した。 6時から行われる宴会に先立ち、「大韓山岳連盟」から届いた、同登山協会結成15周年を祝うメッセージが紹介された。
続いて、兵庫同胞登山協会の崔種楽会長(78)が百名山を、在日同胞登山家の鄭義哲さんが300名山を達成したことが発表され、同登山協会の金載英会長(59)から花束が贈呈された。
金会長はあいさつで、「『韓国併合』100年という節目の年に100名山完登という大きな目標を達成し、結成15周年を迎えることができたことに深い意義を感じている。平和と統一への志向、民族の誇りを持って登山協会をさらに強化し、同胞社会に貢献していこう。そして次は、白頭山から漢拏山まで38度線をまたぎ、三千里江山の登山を完登しよう!」と呼びかけ、会場に拍手が沸き起こった。 同胞たちはおいしいご馳走とキムチに舌鼓を打ちながら久しぶりの再会に喜び合った。
北海道から来た鄭玉貴さん(58)は、「ここに山があるから集まるのではなく、同じ思いを持つ同胞がいるからみんなが集まる」と話した。
その後、東京朝鮮歌舞団の公演で宴会場は大いに盛り上がった。 2日目は早朝からあいにくの雨だった。一行はマイクロバスに乗り鳩待山荘へと向かい、登山と散策の2つのコースに分かれて出発した。 雨が降り山は雲に覆われ、秋の美しい風景を味わうことはできなかったが、大自然に囲まれながらほおばるおにぎりは絶品だった。 雨で湿った木道や頂上付近の急な岩場は滑りやすく、足をすくわれた人も多かったが、互いに手をとり、声を掛け合いながら一歩ずつ前へと進んでいった。
至仏山には100余人が約5時間をかけて登頂した。途中気温2度、強い風と雨という悪天候に苦しめられたが、落伍者もなくみな登はんの喜びを味わった。
崔会長は、6歳の双子の孫を連れてやってきた。険しい道のりを歩き、途中の小至仏山まで登っていった。 散策コースでは途中で雨があがり、差し込む日差しで尾瀬の道に美しい景色が広がった。 登山と散策を満喫した一行は来年また会おうと約束し、鳩待山荘をあとに各地へと帰っていった。 女性同盟埼玉・南部支部で10年前に発足した「歩美会」の会員は月に1度登山、ハイキングを楽しんでいる。その責任者である洪吉子さん(69)は、「普段はあまり高い山に登らないので、中央登山会では高い山を目指そうとみな張り切っている。また、各地から集まる同胞の元気な顔を見られるのが楽しみで、前日はあまり眠れなかった」と笑みをこぼした。 水戸市の前市議会議員である波多昭治さんは、7年前から同登山会に参加している。「毎年この会で在日の人たちと過ごす時間を楽しみにしている。両国間の政治的なすれ違いに左右されず、日朝の輪をさらに広めていきたい」と話した。 群馬県からきた金正愛さん(49)は「中央登山大会を通じて、各地の同胞たちとつながれることが素晴らしい。15周年を節目にさらに多くの同胞たちが網羅されていけばいいと思う」と語った。(文・尹梨奈、写真・盧琴順) [朝鮮新報 2010.10.1] |