「2010在日朝鮮人歴史・人権月間」全国「福岡」集会 過去清算し朝・日有効の100年を |
「無償化」適用、差別撤廃を要求
「2010在日朝鮮人歴史・人権月間」全国「福岡」集会が18日、福岡市内で行われ、福岡をはじめ東京、大阪など各地から同胞や日本の活動家、研究者、教員ら約200人が参加した。「韓国併合」100年を迎えた今夏、各地では日本の朝鮮植民地支配に関する正しい歴史認識と過去清算を求める運動が高まった。参加者たちはシンポジウム、討議、交流会などを通じ、そうした運動の高まりを実感するとともに、日本の根深い植民地主義を正しい歴史認識と高い人権意識で克服し、過去清算に基づいて「朝鮮と日本の平和と友好の新たな100年」を切り開いていこうと話し合った。
集会は福岡の市民・平和団体と総連本部管下団体、機関が共同で実行委員会を結成し開催した。 17万人が強制連行されたとされる福岡では、在日朝鮮人と民族教育に対する差別の撤廃、日朝国交正常化を求める地道な運動が成果を挙げている。 地元実行委員長の石村善治・福岡大学名誉教授は「朝鮮半島に一番近い福岡で、日本人と在日朝鮮人がともに過去の歴史を学び、現在の人権問題について考える意義は大きい。とくに閔妃(明成皇后)殺害事件など日本で教えられていない歴史があるなか、若者が正確な歴史を知るきっかけになれば。両国間にある過去の暗い歴史が、無償化からの朝鮮学校除外などの差別につながっていることを知ってもらいたい」と語った。 また集会は、8月22日から「韓国併合」100年をテーマに各地で開催された今年度の「在日朝鮮人歴史・人権月間」を締めくくるものだった。 全国実行委員会を代表しあいさつした共同代表の朴久好・総連中央副議長兼権利福祉委員会委員長は、日本政府による対朝鮮経済制裁、「無償化」問題など朝鮮学校に対する差別について言及し、日本の植民地支配と強制連行の被害者とその子孫である在日朝鮮人に対する差別は許されないと厳しく非難。「週間」から「月間」に拡大して開催された「歴史・人権月間」が過去清算と朝・日関係の改善に向けた新しい貴重な運動になっていると述べた。 集会では、2008年の結成以来毎年、訪朝団を派遣している福岡県日朝友好協会の北原守会長が「県民の目線に合わせた交流」から得た経験と成果について話したあと、シンポジウム「『韓国併合100年』今こそ平和と友好に向けて」が行われた。 集会では、在日朝鮮人に対する差別政策の撤回などを求める集会アピールと、朝鮮学校への「高校無償化」適用を求める菅首相、高木文科相宛ての要請書がそれぞれ採択された。 集会アピールは、「韓国併合」100年に際して発表された菅首相談話が「韓国」だけに向けられたことについて厳しく非難し、植民地支配の「最も典型的な被害者」である在日朝鮮人は「国を奪われ日本で居住することにより、戦前も、戦後も、現在に至る100年間も、さまざまな差別を強いられている」と指摘。日本政府に対し、反省と謝罪が南北朝鮮と在日朝鮮人に行われるべきであり、対朝鮮経済制裁、総連弾圧、朝鮮学校「無償化」排除などの差別政策を撤回すべきだと求めた。そして、日朝平壌宣言の原則に基づき国交正常化を進めるべきだと訴えた。 19日には、強制連行された多くの朝鮮人が働いた筑豊地域でフィールドワークが行われた。犠牲者の遺骨が安置された無窮花堂や無縁墓地をめぐり追悼した。(李泰鎬) 「2010在日朝鮮人歴史・人権月間」全国「福岡」集会 民衆の連帯で新時代を [朝鮮新報 2010.9.28] |