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歴代会員の言葉に見る青商会の15年

豊かな同胞社会、子どもたちの未来のために

記念式典後に行われた宴会で歴代会員と現会員が一堂に会し、青商会のいっそうの発展を誓い合った

 商工人をはじめとした幅広い30代同胞青年たちを網羅し、愛族愛国の代を引き継いでいくために、青商会が誕生したのは1995年9月6日だった。青商会は「豊かな同胞社会のために」「子どもたちの未来のために」というスローガンを掲げ、同胞社会に新しい風を吹き込んだ。

 結成15周年を祝う式典が4日、青商会第14期総会後に北海道札幌市のパークホテルで行われ、歴代の中央会長をはじめ、往年のメンバーが顔をそろえた。

 活力に溢れ、組織化された青年団体が新しく結成されたのは「時代の要求だった」と、初代会長を務めた宋元進さんは振り返る。

 結成後1年で、日本各地の28都道府県で青商会が誕生し、26の地域組織も結成され、2千人の同胞青年たちが網羅された事実がそれを物語っている。青商会では各地域ごとに経済セミナー、講演会をはじめとした会員たちのニーズに沿った行事が企画運営された。

 同時に草創期は紆余曲折の連続だったと話すのは、青商会結成当初からの会員で、前中央副会長を務めた姜宗官さん。同胞青年たちが民族心を持ち、経済的なサポートをするためには、何が必要か。「とにかくよく話した。時には言い争うこともあったけど、それでも新しいものを作ろうという気持ちは一緒だった」。

 第11、12期会長を務めた姜泰龍さんは青商会の魅力を、「利害関係を超越した存在」だと語る。「1世たちが『無』から『有』を作り上げたあの時も、同胞社会をリードしたのは30、40代の若い世代だった。そこには個人の利益でない、相互扶助の精神が宿っていた。同胞社会のその精神は、今の青商会にも脈々と引き継がれている」。

 青商会中央では1998年に初の業種別部会となる遊技業部会を結成、その後、飲食業、IT業、不動産業、建設業部会が設立された。各部会では、会員たちの実戦経験が共有され、実利をともなった情報が行き交っているという。

 また青商会が結成当時から力を注いできたのが、子どもたちのための事業だった。12年前、静岡県青商会が始めた、朝鮮学校新入生への制服プレゼント事業は、瞬く間に各地の青商会に広がり、現在ではほとんどすべての地域で行われるようになった。

 各地では毎年学校支援のためのチャリティーゴルフコンペが行われ、学齢前の子どもたちのための「コッポンオリクラブ」(2005年発足)、同胞人材育成基金であるNPO法人「ウリハッキョ」(2008年発足)などの活動を通じて、民族教育の発展に寄与してきた。

 また、昨年茨城県青商会が取り組んだ「セッピョル学園」がモデルケースとなり、北海道の「『ともだち』ウィンターフェスティバル」、中国・四国地方の「ピカピカ! ミレキャンプ」が今年行われた。他地域の取り組みをすばやく取り入れるフットワークの軽さも、青商会の特徴の一つだと言える。

 会員たちの経済サポート事業や民族教育支援を充実させ続ける現在の青商会の姿に、第5期会長を務めた許宗さんは、在日朝鮮人運動全般においても、青商会の活動が大きな役割を占めるようになったと指摘する。

 第9、10期会長を務めた鄭致元さんは、青商会が今後より発展するためには「時代の要求と環境に敏感に対応し、斬新なアイディアで新しいものを自分たちの力で創造していけるかにかかっている」と話す。

 青商会は現在、37の都道府県を管轄する32の地方組織と109の地域組織、5千人のネットワークを持つまでに成長し、また商工人だけでなく30代同胞青年の大衆組織に発展した。第13、14期会長として青商会を束ねる姜尚賢会長は「1人の100歩ではなく、100人の一歩が、今こそ重要だ」と語った。(茂)

[朝鮮新報 2010.9.13]