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「ウリ民族フォーラム2010 in 北海道」 後代にしっかりと 舞台、シンポ、実践と提案

つなげよう、同胞社会のバトン

民族フォーラムフィナーレの様子

 「ウリ民族フォーラム2010 in 北海道」が5日、札幌市民ホールで催された。総連中央の許宗萬責任副議長、呉民学経済局長、青商会中央の姜尚賢会長をはじめ、各地青商会役員、会員、北海道の同胞、児童、生徒ら 約1000人が参加した。

 今回の「ウリ民族フォーラム」のテーマは、「つなげよう、同胞社会のバトン〜ぼくらの夢はデッカイ道!!〜」だった。ここには、在日朝鮮人問題が生じ100年となる今年、在日同胞たちの前に立ちはだかる現実を直視し、世代間や地域など同胞社会をつないできたバトンを引き継ぐだけでなく、後代にしっかりと受け継ぐまでをきちんと担おうという北海道青商会会員たちの熱い思いが込められている。

 会場のロビーには、困難を乗り越え学校と組織、同胞社会を築き守ってきたこの地の同胞たちの歴史を伝える写真パネルが展示され、参加者らの目を引いた。

 フォーラムの開幕は、北海道の青商会会員、同胞、児童、生徒ら300余人による大合唱「われらの誇りは限りない(ウリ チャラン イマンジョマン アニラオ)」で飾られた。北海道の同胞たちの団結力と情熱が、頼もしく迫力のある歌声ののって響き渡った。

 3部で構成されたフォーラムの1部では、在日同胞の100年史を描いた映像と舞台「しるし〜在日100年の物語」が上演された。これは、故郷での生活を追われて北海道の地で強制労働を強いられた主人公の生涯とその家族の物語であり、100年の歳月を経て今もなお続く同胞の生き様を映し出したもの。さまざまな歴史資料映像とともに、苦難を乗り越え、差別と立ち向かい、代を継ぎ同胞社会を守り発展させている同胞たちの等身大の姿は、バトンをつないでいく意味、大切さを語りかけていた。

民族フォーラムのプレートが、北海道青商会の李東潤会長(左)から、来年の開催が決まった岐阜県青商会の郭展明会長に手渡された。

 つづく第2部では、「つなげよう、同胞社会のバトン」をテーマにしたシンポジウムが開かれた。北海道青商会常任幹事である池周香氏が司会を務め、朝鮮大学校文学歴史学部の李柄輝准教授(中央青商会アドバイザー)をコメンテーターとして迎え、パネリストに中央青商会の李忠烈副会長、元札幌青商会会長の洪健一氏、札幌青商会の金東烈会長、女性同盟札幌支部・豊平分会の宋京子会長、 元朝青札幌支部常任委員の蔡潤姫氏を招き、各界・各世代の視点から見る同胞社会について話し合った。世代を超えて受け継がれてきた同胞社会のバトン。時代とともに同胞社会も変化を遂げた。現在、同胞社会が抱えている問題を直視し、時代のニーズを取り入れながら、先代の築いてきたものをどのように継承していくか。シンポジウムは、参加者たちにとって自分たちが受け継いだバトンについて考えるきっかけとなった。

 第3部では、今年1月に北海道朝鮮初中高級学校と東北朝鮮初中級学校、北海道の日本学校に通う同胞児童、生徒らを対象に行なわれた「チンヒョンジェ ウィンターフェスティバル」や「北海道同胞歴史資料館」設立活動、延べ3万キロメートル以上にのぼる同胞訪問など、北海道青商会の実践と提案が発表された。とくに「ウィンターフェスティバル」の成功に向け、13年ぶりに運動場に設けた「アイススケートリンク」の手作り作業過程、リンク上ではしゃぎ、「ウリトンム」という新たな宝物を手に入れた子どもたちのはじける笑顔を収めた映像は、参加者たちに感銘を与えた。

 また、「歴史資料館」の設立は、1世から2、3世へとつながる同胞社会の歴史を4、5世にも目に見える形でしっかりと伝えていこうという思いで推進されている。北海道青商会の金泰九副会長は、地域同胞社会の歴史を保存するこの活動が、各地へと広がるよう提案した。

 最後に演壇に上がったフォーラム実行委の李東潤委員長(北海道青商会会長)は、この間、自分たちの夢について幾度となく考えたという。その答えは、子どもたちの笑顔をつくること、子どもたちの夢を叶えることだと語ると、会場からは大きな拍手が送られた。

 今回のフォーラムは、1世から継がれてきた在日同胞社会のバトンが、今後、さまざまな角度や方法、思いでしっかりと受け継いでいくべき展望を示した。

 来年、16回目となる「ウリ民族フォーラム」の開催地が岐阜県に決まり、「フォーラムプレート」が岐阜県青商会に手渡された。

 これに先立つ4日、在日本朝鮮青年商工会(青商会)第14回総会および青商会結成15周年記念式典が北海道の札幌パークホテルで開かれた。

[朝鮮新報 2010.9.8]