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愛知で夏のコリアン医療・福祉セミナー

同胞医療人たちが集う貴重な場

セミナーを通じて交流を深めた参加者たち

 夏のコリアン医療・福祉セミナー2010in愛知が8月28〜29日、名古屋市の邦和セミナープラザで行われた。若手同胞医療人と医療・福祉系の学生、愛知県下の朝鮮学校の保健担当教師など60余人が参加した。

 同セミナーは、2006年から在日本朝鮮人医学協会(医協)と留学同が共同で実行委員会を立ち上げて毎年行ってきたもので、今年で5回目となる。

 28日の開会式ではまず、実行委員会の全大佑委員長があいさつ。自身も第1回目から同セミナーに参加していると述べながら、「セミナーは若い同胞医療人たちが一堂に会する貴重な場となっている。自分が実行委員長を務め、みなさんと一緒にセミナーに参加でき、感慨無量だ」と語った。

 セミナーではまず、「医協が展開する学校保健活動」と題してシンポジウムが行われ、医協中央副会長の姜京富・西日本本部会長が基調報告を行った。

 姜京富会長は、医協が結成以来行ってきた朝鮮学校での保健活動について概括し、その具体的な内容にも触れた。そして、医協が学術医療奉仕活動の使命を果たしていくうえで学校保健活動が中心課題の一つである以上、医協会員はもちろん、医療系の学生たちも積極的に取り組むよう訴えた。

セミナーには60余人が参加した

 続いて、医協中央副会長の南洋二・東海支部会長が「北陸朝鮮初中級学校で定期健診を実施した経験」について、東日本本部の申映均常任理事が「東京朝鮮第4初中級学校と東京朝鮮第5初中級学校で実施した歯科衛生授業」についてそれぞれ発言。学校保健活動を通じ、かえって自分たちが同胞医療人としての誇りを持つことができたと述べながら、朝鮮学校の保健環境をよりよいものにするために、それぞれができることを見つけて実践に移していこうと訴えた。

 シンポジウムは、医協が行っている朝鮮学校での保健活動を同胞医療人たちに広く一般化し、より多くの同胞医療人と学生たちが同事業に参加するきっかけの場となった。

 セミナー2日目には、特別講演が行われ、医協東海支部常任理事で薬剤師の金兌勝さんが「同胞医療人としてのアイデンティティーと心構え」と題して講演した。

 金兌勝さんは、自身の経験について具体的に述べながら、「在日同胞の過去の歴史を知り、自分の存在について本当に理解したとき、同胞社会に還元しなければならないという使命感を抱くようになる」と指摘。「同胞社会の一員である私たちが、豊かな同胞社会のために貢献することは一つの帰結だ」と語った。

 講演は、日本の医療系に従事する同胞医療人たちに、民族の魂を失うことなく同胞社会に貢献するうえで一助となった。

 セミナーでは共和病院、あさひ病院、足立鹿浜病院がそれぞれガイダンスを行い、病院の紹介と医療系学生の募集を行った。また、医協と留学同に関する説明会も行われた。

 セミナー終了後、参加者たちは医協会員が営むホルモン焼屋「梅田屋」で食事しながら交流を深め、来年の再会を約束した。【医協中央】

[朝鮮新報 2010.9.6]