「ミレキャンプ」 青商会と学校が企画 広島朝高学区の同胞生徒たちが一堂に |
中四国の新しい経験、新しい出発
広島朝高学区地域の青商会と朝鮮学校が共同で企画した「ピカピカ! ミレキャンプ」が8月21〜22日にかけて広島朝鮮初中高級学校で行われ、広島、岡山、四国の朝鮮学校初級部高学年生と中四国地方の日本小学校に通う高学年の同胞生徒たち78人が参加した。中四国地方の初級部高学年にあたる同胞生徒たちを対象にした行事が行われたのは今回が初めて。 子どもたちに同世代の同胞たちと触れ合う機会をつくることで、同胞社会と朝鮮学校の素晴らしさを伝え、これをきっかけに地域の民族教育と朝鮮学校を発展させていきたいとの思いから企画された。生徒たちは寝食を共にしながら学校と青商会が準備した運動会、プロ野球観戦、課外学習などさまざまな企画で有意義に過ごし、楽しい思い出を作った。各朝鮮学校の教員と朝大生、広島朝高生が指導員として参加したほか、広島、岡山、愛媛、鳥取、山口の青商会会員らが行事運営を支援した。 地方の特色活かし 「ミレキャンプ」が企画されたのは昨年。茨城県青商会が実施した「セッピョル学園」に感銘を受けた広島県青商会会長が学校側に打診したところ、双方の思いが一致した。
実行委員会では、生徒たちが楽しく有意義な時間を過ごせるよう、目的と内容についてしっかり議論を重ね準備を進めてきた。特に各青商会は、保護者らに負担がかからないよう財政の確保に奔走した。生徒たちの健康や安全にも細心の注意を払った。
実行委員長の金賢石・広島県青商会会長(42)は「広島、中四国の特色を出せるよう気を配った。子どもたちが貴重な体験をし、楽しく過ごせば親も必ず喜んでくれる。今回の新しい経験を新しい出発点とし、中四国地方の民族教育とウリハッキョの活性化に繋がれば」と語った。 「ミレキャンプ」には四国の土曜児童教室、鳥取の午後夜間学校の受講生をはじめとする日校生たちが朝鮮学校の生徒たちとともに参加した。同世代の朝鮮生徒が多く集まる場に参加することで、同胞社会の温かさを感じ、朝鮮人としての誇りを持つ大きなきっかけとなった。行事が広島初中高で行われたことで、朝鮮学校がどのような場なのかを体験する貴重な場にもなった。 鳥取県青商会の申昌浩会長(39)は、「ウリハッキョがない鳥取の同胞にとってはこうした場がとても貴重だ。子どもたちがたくさん学んで刺激を受けてくれれば、親たちもうれしい」と語った。 これからは同級生として 参加した生徒たちは、中、高級部へと進むことで同級生になる子どもたちだ。早い時期から仲良くなることで、1人でも多く、同胞の親友を得る機会にもなった。「ここに参加したみんなが朝高に行けばどれほどうれしいことか」との声が何度も聞かれた。
生徒たちは学校見学、プロ野球観戦、平和学習など広島の特色を活かした企画とともに、広島朝鮮歌舞団の公演、運動会、「ウリノレ」学習、焼肉大会などで楽しい思い出を作った。「たくさんの友だちができてよかった。これからも仲良くしたい。他の地方にも友だちができれば」(梁賢虎、広島初中高初6)、「野球観戦など初めて体験することが多く、とても楽しかった」(姜奨求、岡山初中初6)などと喜んでいた。
行事全般の進行役を務めた広島初中高の秋剛鎬教員(34)は、「ウリハッキョの生徒と日校生を一緒に指導するということで、難しい面もあったが、やっぱり同胞同士ということで生徒たちが仲良くなるのも早かった。生徒たちが楽しんでいたことが何よりうれしい。普段、学校ではできない新しい形の行事だった。さらに研究し続けていくことが大切だ」と述べた。 感想文を発表した小学校5年生の姜美羽さん(鳥取)は、「最初は不安だったけど、すぐに仲良くなれて楽しかった。来年も必ず参加したい」と述べた。これを聞いて、猛暑の中で行事運営のために力仕事をこなした青商会関係者たちは「疲れが吹っ飛ぶ思いだ。成功してよかった」と喜んでいた。 岡山県青商会の金三龍会長(42)は、「自分の子だけでなく、すべての同胞の子どもたちのためにできることをしようというのがわれわれの共通の思いだ。厳しい情勢だからこそ幅広い同胞たちの協力を得て、子どもたちの未来のために頑張っていかなければならない」と述べた。 閉会式でも生徒たちの元気な声が響き渡った。 「アンニョンヒ!」 「ミレキャンプ!」 最後は金賢石会長の呼びかけで幕を閉じた。 「来年も同じ友だちと、同じ先生とここで会おう!」(李泰鎬) [朝鮮新報 2010.8.31] |