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識字率5%

 以前読んだ元外務官僚の著書に、日本の識字率は5%というのが外務省の認識だ、と書いてあった。もちろん本当の意味での「識字率」の話ではない。ことの本質を見抜く力を持つ人たちは限りなく少ないということ。

 例えば最近、連日報じられた「元工作員」の訪日について。南朝鮮では、「拉致」問題を再浮上させようとする日本政府と、北を窮地に陥れようとする南の保守政権の利害関係が実を結んだ「政治イベント」だというのが、有力な分析だ。

 「元工作員」は“デタラメな話をする人物”として有名で、彼女が横田めぐみさんを「見た」と証言し始めたのは、2009年になってからだ。南の「統一ニュース」は平気で作り話を述べる彼女が、「重要な問題について一言も口にせず、20年以上も過ごしたことは、理解に苦しむ」と指摘している。

 そもそも彼女が「関与」したとされるKAL機事件も、捜査当局の発表は矛盾だらけだ。犠牲者遺族からは事件が当時の政府による“自作自演”だったのではないかという声が高い。しかし日本では「北の犯行」だという一方的な情報だけが伝えられている。

 哨戒艦「天安」号沈没事件も、しかりである。「調査結果」に対する数々の疑惑について、日本ではほとんど報じられない。米国や南朝鮮の頑強なアプローチにも関わらず、国連安保理議長声明には事件と何ら関連がないとする朝鮮の立場が反映された。マスコミが報じない本質はたくさんある。(茂)

[朝鮮新報 2010.7.26]