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日弁連、大阪府警に警告

朝鮮学校への強制捜索差し押さえで

 日本弁護士連合会は4月22日、2007年1月に敢行された滋賀朝鮮初級学校に対する大阪府警察本部による強制捜索差し押さえの違法性を認め、同府警に対し「今後違憲・違法の捜索・差押を実施して基本的人権を侵害することのないよう強く警告」した。

 警告書は「教育機関である初中級学校を対象とする第三者方捜索であるにもかかわらず、被疑事実との関連性は必ずしも明白ではなく、差押の必要性を欠き、第三者方捜索の特別の要件も充たしていない違法なものであり、実際の押収物も証拠請求すらされない、被疑事実と無関係の物であった」と指摘した。

 また、強制捜索の背景について「朝鮮政府に圧力をかけるという政治的目的の存在が疑われるといわざるをえない」とも指摘した。

 大阪府警察当局は2007年1月28日、「電磁的公正証書原本不実記録」などの容疑を口実に、滋賀朝鮮初級学校などを5時間に及んで強制捜索した。

 教職員不在の学校を130人の武装警官で取り囲み、校長室や教員室、教育会室にまで土足で押し入り、事件とはなんら関係のない児童、保護者名簿などまで押収した。まったく関係のない学校に土足で踏み込んだ不当な権力濫用、民族教育を冒とくする暴挙に非難の声が挙がっていた。

 警告書は、強制捜索差し押さえが日本国憲法、国際人権(自由権)規約、子どもの権利条約、人種差別撤廃条約などに抵触する「重大な人権侵犯行為」だと指摘した。

無年金、救済措置講じるよう勧告も

 一方、日弁連は4月7日、在日外国人無年金障がい者・高齢者が差別なく年金の支給を受けられるようにするための救済措置を講じるよう日本政府に勧告した。

 現状では、1986年4月1日の時点で60歳を超えていた在日外国人が老齢福祉年金の支給対象とされておらず、82年1月1日の時点で20歳を超えていた在日外国人障がい者が障害基礎年金の支給対象とされていない。無年金の同胞障がい者、高齢者が不支給処分取り消しや慰謝料を求めた訴訟は、それぞれ最高裁で敗訴が確定している。

 勧告書は、中国残留邦人や学生障がい者の無年金問題については救済措置が実施されたが、在日外国人無年金障がい者・高齢者に対しては、何ら救済措置が講じられておらず、具体的な検討も行われていないと指摘。法改正などの救済措置を速やかに講じるよう勧告した。

[朝鮮新報 2010.5.7]