城北初級チャリティーコンサート ウリハッキョ守る気持ち表現 |
城北朝鮮初級学校で3日、チャリティーコンサートが開催された。出演したのは、同胞、朝青、生徒、日本市民ら。昼と夜の2回にわたって行われたコンサートを350余人が観覧した。 きっかけは楽器購入
公演は城北初級チャンダンサークル(高学年男子生徒が対象の週1回の部活)のプク、チャンゴ、クェングァリなどの民族楽器を購入するためのチャリティー金募集を目的に開催された。公演開催の報は地域社会に伝わり、多くの日本市民が同校を訪れた。
発起人は部活を指導する徐香淑講師(28)。徐さんが所属する同胞音楽サークル「フルム」(メンバー=辛和玉、宋容希、李美香、徐香淑)が学校側と協力し準備した。 超満員となった会場。講堂の舞台では、チャンゴ演奏「フィモリ」(クンタkid'sサークル、朝青旭都支部と城東支部のチャンゴサークル「チャン」)、2重唱「君たちのかばんの中に」「半月」(金一予、辛和玉)、「フルム」による歌と楽器演奏、城北初級チャンダンサークルのサムルノリ「慶祝〜楽しい風〜」などが披露された。 観衆の目を引いたのは、守口市の無形民俗文化財第1号に指定されている寺方ちょうちん踊りだった。「寺方ちょうちん踊り保存会」のメンバーが出演した。 昨年10月に結成された「城北ハッキョを支える会」(大村淳代表)の結成集会で城北初級チャンダンサークルが披露したサムルノリ公演を見て、日朝音楽交流をスタートさせたメンバーらはこの日、「河内音頭交野節『河内義民伝』」「アリラン」で踊った。朝鮮民謡「アリラン」にあわせた踊りで、同じ地域に住む在日朝鮮人と日本市民らの心の交流を表現した。 観衆は、「高校無償化」の対象から朝鮮高級学校を排除した政府の方針が明かされたなか催された公演で、朝鮮学校を守っていこうという関係者の気持ちを見たと、涙を流し大きな拍手を送った。 一方、公演には守口市長から「日ごろの練習の成果を存分に発揮され、楽しい時間をお過ごしいただき、みなさま方の交流を大いに深めてください」という内容の祝電が届けられた。
目標額こえる
公演を見た渋谷佳奈さん(25)は守口市内の錦小学校で教べんをとっている。同僚に誘われて見にきたという。勤務先にも民族学級があるという渋谷さんは「朝鮮学校の存在を実は今回初めて知った。子どもたちのサムルノリのレベルが高いことに驚いた。公演を通じて、民族教育が必要なんだということを感じた」と話していた。 ボランティア活動に従事する木村千代子さん(54)は、「目の見えない私は、これまで涙を流したことがなかったのに、今日は音を聞いただけでなぜか涙がでてきた。聞こえてくるチャンダンから、朝鮮学校生徒の一体感を感じた。まさにそれが、朝鮮民族の魂なのではないか」と語った。 詩人の李芳世さん(60)は、「感動的だった。学校を取り巻く環境が厳しいなか、朝鮮学校を守ろうという気持ちがひとつになっている」と感想を述べた。 同校のチャンダンサークルが始まったのは02年4月。楽器をすこしずつ集め部活を運営してきたが、今回のチャリティー金で古くなった楽器を一新する。事前の予想を超える人たちがたくさん観覧したことで、目標以上のチャリティー金が集まった。 徐香淑講師は、民族のチャンダンが生んだ感動が城北から大阪に、そして朝鮮学校がある各地に広がっていったらうれしいと語った。(李東浩記者) [朝鮮新報 2010.4.12] |